その一方で、福島原発事故の原因の解明の方はさっぱり進んでいないのはどういうことなのでしょうか。
産経新聞の記事を紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
東電新再建計画、柏崎刈羽原発再稼働は平成31年度以降6パターンを想定
全基なら300億円増益
産経新聞 2017年5月9日
東京電力ホールディングス(HD)と原子力損害賠償・廃炉等支援機構が策定している新たな経営再建計画「新々総合特別事業計画(新々総特)」の全容が8日、判明した。柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働については、平成31年度以降に順次再稼働する6パターンのスケジュールを想定。新潟県の米山隆一知事が再稼働に慎重なことを考慮した。
7基全てが動けば、4基稼働時に比べ単年度で300億円以上の経常増益が見込めると試算しており、全基の再稼働が経営再建につながることを示す狙いだ。週内にも政府に申請する見通しだ。
新々総特で東電が示す29~38年度の収支見通しは、柏崎刈羽の再稼働時期について「31年度以降」「32年度以降」「33年度以降」の3つを想定。それぞれ「1、5、6、7号機の4基が動いた場合」と「1~7号機全てが動いた場合」に分けて試算し、計6パターンの見通しを示す。収益改善効果は1基当たりの出力が異なるため、年間400億~900億円と幅を持たせる。
時期が最も早い31年度以降に7基全てが再稼働するパターンでは、原子力規制委員会の審査が最終盤にある6、7号機の再稼働を先行し、その後1、5号機の再稼働を見込む。2~4号機は36年度以降の再稼働を想定する。
政府が32年に大手電力の送配電部門を別会社化する「発送電分離」を実施すれば、自由競争が進んで新電力を含めた顧客獲得競争の激化も予想される。東電も32年度以降の収支見通しに電気料金の値下げを織り込み、原発の再稼働が消費者への利益還元につながることを明確化する。
新々総特ではこのほか、31年度上期をめどに中部電力との完全統合を目指す火力発電事業のほか、水力・再生可能エネルギー、ガス事業などの成長分野に、29年度以降の10年間で8千億円規模の投資を行う戦略も盛り込む見通し。
また原子力事業や送配電事業でも他社との共同事業体設立を目指すほか、外部登用を含め、今後の経営改革を担う若手人材の確保・育成にも力を入れる。