2017年5月13日土曜日

13- 浜岡原発の再稼働 全炉停止6年で市民アンケート

 静岡新聞社が4月下旬から5月初めにかけて街頭で実施した浜岡原発に関するアンケートの結果を公表しました。
 浜岡原発は福島原発事故が起きた年(11年)の5月14日に菅内閣の要請で全炉を停止させたので、それから丸6年になります。原発南海トラフ巨大地震の想定震源域の中央部分に建っていて、世界一危険な原発とも言われているのが政府が停止を要請した理由でした。
 また浜岡原発で重大事故が起きると交通の大動脈が分断され多くの人が避難を迫られることになります。静岡県は原発周辺の96万人の避難者を12都県に受け入れてもらう方針をたてていますが、その規模は全国で最大になります。
 
 アンケートの主な設問は、浜岡原発3、4号機の再稼働についてどう考えますか と福島第1原発事故で浜岡原発への考え方が変化したか で、365人からの回答の内訳は
 「再稼働すべき」33・2%、「再稼働すべきではない」38・9%、「現時点では判断できない」27・4必ずしも危険だから再稼働すべきでないが圧倒的ということではありませんでした。
 複数回答可で、再稼働賛成理由は「地元経済への影響が大きいから」55・4%、「国内のエネルギー政策を支える必要があるから」42・1%。反対理由は「安全対策が不十分だから」が67・6%をでした。
 福島原発事故で浜岡原発に対する考え方が変わったかについては、「変わった」と答えた人の6割以上が再稼働反対で、「変わらない」という人の7割近くが再稼働に賛成しました
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浜岡原発の再稼働、揺れる民意 全炉停止6年で市民アンケート
静岡新聞 2017/5/12 08:11)
 東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故の後、当時の政府要請で中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)が全炉停止してから14日で丸6年がたつ。同市在住・在勤の18歳以上を対象に、静岡新聞社が4月下旬から5月初めにかけて街頭で実施した浜岡原発に関するアンケートで、「再稼働すべき」33・2%、「再稼働すべきではない」38・9%、「現時点では判断できない」27・4%と、立地市の民意が大きく割れている実態が明らかになった。旧浜岡町が原発の「条件付き受け入れ」を表明してから9月で50年。原発とともに半世紀を過ごしてきた市民の思いは、福島第1原発事故を経て揺れ動いている。
 調査は同市内の商業施設や同市役所などの周辺で行い、365人から回答を得た。複数回答可で、再稼働について賛成する理由は「地元経済への影響が大きいから」55・4%、「国内のエネルギー政策を支える必要があるから」42・1%。反対理由は「安全対策が不十分だから」が67・6%を占めた。
 
 福島第1原発事故で浜岡原発に対する考え方が変わったかを合わせて聞くと、「変わった」と答えた人の6割以上が再稼働反対だった。一方、「多少影響した」という人の再稼働への賛否は分かれ、「変わらない」という人の7割近くが再稼働に賛成した。
 
 自由回答の項目を見ると、製造業の40代男性は福島第1原発事故で「原発事故の恐ろしさを実感し、他人ごとでないと思った」と再稼働に反対した。農林水産業の50代女性は「自分たち世代はいいが、子供の将来が不安。原発で生計を立てている人もいるので複雑」と再稼働への判断を避けた。
 浜岡原発の重大事故時に備えた広域避難計画について、県と市の計画が公表されたことと具体的な避難先の2点への認識を尋ねると、「両方知らない」39・2%、「計画は知っているが、避難先は知らない」33・4%を合わせて7割強に上った。
 
 全炉停止後の生活や仕事などへの悪影響については、73・7%が「当初も今も悪影響はない」と答えた。防潮堤などの安全対策工事に対しては、「十分評価できる」20・3%、「ある程度評価できる」44・7%と、中電の対応を認める意見が過半数だった。