29日、東京・星陵会館で小出裕章氏による講演会:「破たんしている原子力ーそれでもしがみつく理由」があり、全てがウソで破たんしている原発にもかかわらず、巨大利権を手放さない原子力マフィアの実態を語るとともに、自民党政権の原発推進の真の狙いは核兵器をもつことであるとして、いくつもの証拠を上げ、核に手をかけている保守政権の戦慄すべき実態を明らかにしました。
話はウクライナ戦争等、幅広い問題に及んだということです。
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小出裕章さんが渾身の訴え!〜「この国が戦争に落ちていくことを防ぎたい」
レイバーネット日本 2022-05-30
→小出講演録 動画(2時間)
5月29日午後、東京・星陵会館で小出裕章さんの講演会があった。テーマは「破たんしている原子力ーそれでもしがみつく理由」であったが、話は原発問題をベースに、地球温暖化問題、ウクライナ情勢、憲法と日米安保、そして私たちの生き方、たたかい方にまで及んだ。わかりやすいスライドと熱弁で、聴衆はどっぷり「小出裕章ワールド」に浸った。
原発問題では、全てがウソで破たんしている原子力にもかかわらず、巨大利権を手放さない原子力マフィアの実態を解明した。かれらは地球温暖化・CO2削減を原発推進の理由にしているが、それがいかに科学的根拠のないものであるかを明らかにした。しかし今回の講演はそこに止まらなかった。「自民党政権の原発推進の真の狙いは核兵器をもつことである」。小出さんはいくつもの証拠を上げて、核に手をかけている保守政権の戦慄すべき現実を明らかにした。
また、ウクライナ問題の見方を提起した。ウクライナ危機に至る歴史的流れ・背景に迫るものだった。なかでも強調したのは、「戦争は悲惨で、常に庶民が犠牲になる。その一方で大儲けする軍需産業がある」ことである。その軍需産業のトップ5企業はすべて米国だった。
「1952年のサンフランシスコ講和条約のときに日米安保条約(軍事同盟)が発効し、非戦の日本国憲法は空文化されてしまった。その後、日本は米国の属国である。いまウクライナをきっかけに軍備拡張が声高に叫ばれている。しかし本当に必要なのは戦争そのものをなくすことではないか。そのためには軍事同盟を廃止すること、戦争で儲ける軍需産業を廃絶することだ。私たちがウクライナから学ぶことはそれだと思う」。
最後は厳しい現実の話になった。「しかし今や安保条約を解消しようという声は日本人全体の1%になってしまった。私もその1%の人間だが、会場のみなさんはどうですか?」と問うと、共感の拍手が起きた。「たいへん厳しい状況だ。でも夏に選挙があるし、なんとしても自民党を倒さなくてはいけない。踏ん張っていこうではないか。この国が戦争に落ちていくことを防ぎたいと思う」と結んだ。
2時間以上にわたる小出裕章講演は、原発と戦争をなくすために考えるヒントが満載だった。いま状況を転換するうえでも一人でも多くの人に「アーカイブ動画」を視聴してほしい。(M)