河北新報 2015年10月08日
東京電力福島第1原発事故で発生した指定廃棄物の最終処分場建設問題で、環境省は7日、6日に引き続き宮城県内3候補地の一つ、加美町田代岳で現地調査を試みた。前日と同様に住民の激しい抗議を受けて現地に入れず、2日連続で作業着手を見送った。
環境省職員ら6人が午前10時20分ごろ、候補地から1.5キロの町道を訪れた。町道には住民ら約120人が集結。横断幕と人垣で道路をふさいだ。町道は9月の豪雨による土砂崩れで通行止めとなっているが、町が一部を開通させた。
環境省東北地方環境事務所の東利博保全統括官は「何の権利で公道を封鎖するのか」「調査してすぐ加美町に建設が決まるわけではない」と強調。「住民説明会を開催させてほしい」と提案した。
住民団体「放射性廃棄物最終処分場施設建設に断固反対する会」の高橋福継会長は「説明会は必要ない」と拒否。高橋会長が土下座し、引き返すよう求める場面もあった。猪股洋文町長は「専門家を交えた意見交換会を今月開催する方向で環境省と調整中。意見交換会が先だ」と抗議した。
環境省は7日午後、現地入りしなかった。8日以降の現地入りは未定。