福島民報 2015年10月8日
福島高専は全国の高専や民間企業などと連携し、東京電力福島第一原発事故の廃炉作業を担う人材育成に力を入れる。6日までに文部科学省の国家課題対応型研究開発推進事業「廃止措置研究・人材育成等強化プログラム」に採択された。中村隆行校長が6日、いわき市の同校で記者会見して概要を明らかにした。
機械工、電気工、物質工、建設環境工、コミュニケーション情報の全5学科の希望者が1年生から5年生まで継続して「廃炉創造学修プログラム」を履修できる。全国の高専の教員や日本原子力研究開発機構(JAEA)の職員らが原子力発電所の仕組みや除染技術などを指導し、JAEAが整備している楢葉町の楢葉遠隔技術開発センター(モックアップ施設)などで実践的に学ぶ。タンガロイ(本社・いわき市)や東京都市大などと共同で、原発事故で溶融した燃料(燃料デブリ)を取り出す技術などを研究する。
平成27年度後期から3、4年生を対象に開講する。
中村校長は「復興に対して特別な思いを持った若者が創造的な発想を学ぶ場を目指す」と話した。佐藤正知専攻科特命教授らが出席した。