福島原発事故後、福島県で見つかっている子どもの甲状腺がんの発症率は事故前の20倍~50倍に達し、多くは被曝で発症したものだと主張する分析結果を岡山大の津田敏秀教授のチームがまとめ、国際環境疫学会誌 電子版に発表しました。
これまで40万人弱の対象者から104人の甲状腺がん患者の発生が確認されていながら、「被曝との関係は認められない」という県や国の見解が述べられてきました。
今回の発表に対しても「結論は時期尚早」とする指摘があったということですが、何故か甲状腺がんを放射能と結びつけることに対して猛烈な抵抗があるようです。
事故前には甲状腺がんの発症率は100万人に1人(ないし2人)とされていたのが、事故が起きるといつのまにか正常値が100万人に10人に跳ね上がるなど、この国のあり方は実に不可解・不明朗です。
(関係記事)
9月2日 福島県児童の甲状腺がん確定者は104人に
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「被ばくで発症」と主張 福島事故後の甲状腺がん
東京新聞 2015年10月7日
東京電力福島第1原発事故後、福島県で見つかっている子どもの甲状腺がんの多くは被ばくで発症したものだと主張する分析結果を岡山大の津田敏秀教授(環境疫学)らのチームがまとめ、国際環境疫学会の6日付の学会誌電子版に発表した。別の疫学専門家からは「結論は時期尚早」との指摘がある。
研究チームは、福島県が事故当時18歳以下だった約37万人を対象にした昨年末時点までの甲状腺検査の結果を分析。年間発症率は事故前の日本全体と比べ、20~50倍と算出した。さらに福島県内でも地域によって発症率が最大2・6倍の差があった。 (共同)