高速増殖原型炉もんじゅの点検漏れ問題をいつまで経っても解決できない日本原子力研究開発機構に対して、原子力規制委は28日、通常の原発よりもはるかにリスクの高いもんじゅの運営を任せられないとの認識で一致しました。
今後、もんじゅを機構から切り離し、新たな組織への移管を文科省に勧告することなどを軸に検討していきます。いつまで経っても埒があかなければ、廃炉につながる設置許可の取り消しになる可能性もあるということです。
もんじゅの今後の方針について、文科省が設置する諮問委員会に検討させても「廃炉」の結論を出すことはないので、この際規制委が設置許可を取り消すのが国のためです。
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原子力規制委、もんじゅ運営主体の移管検討 「任せられぬ」
東京新聞 2015年10月29日
高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の点検漏れ問題で、原子力規制委員会は二十八日、運営する日本原子力研究開発機構の安全への意識や管理能力は低く、通常の原発よりリスクの高いもんじゅの運営を任せられないとの認識で一致した。
今後、機構を所管する文部科学省に対し、もんじゅを機構から切り離し、新たな組織への移管を勧告することなどを軸に検討していく。安全確保への道筋がつかない場合は、廃炉につながる設置許可の取り消しになる可能性もある。十一月二日には、機構の児玉敏雄理事長から事情を聴く。
局長の説明を踏まえた二十八日の会合では、機構について「もんじゅの運営主体として不適切。文科省は、適切な組織に運営させることを考えるべきだ」(田中知(さとる)委員)、「高速増殖炉のリスクへの認識が足りない。もんじゅを運転できる状態にない」(田中俊一委員長)など厳しい批判が相次いだ。