11日、生憎の荒天の下でしたが、柏崎市の海浜公園・「夕日のドーム」で行われた「2015 なくそテ原発 柏崎大集会」には、全県や長野県飯山市などから1300人が集まりました。
地元の2人の男性によるフォーク演奏(「戦争を知らない子供たち」など3曲)を聞いたのち13時に開会しました。
はじめに福島からの避難者やJA佐渡代表代理などの4人によるリレートークが行われ、そのあと福島原発告訴団長の武藤類子さんのメインスピーチがありました。
武藤さんはスピーチの名手といわれているそうで、レジメもとてもて丁寧に書かれていました(添付したのでご参照下さい)。
そのあとアトラクションとして、「制服向上委員会」の3人のメンバーによる脱原発の歌と、歌の合間に行われる熱烈でテンポの良いトークがあり、会場は手拍子を打ちながら楽しみました。
最後に集会宣言(添付しました)が読み上げられ、それを採択して15時前に終了しました。
会場でのカンパは20万円ほどが集まったということです。
予定されていたパレードは、雨と風が吹き荒れる荒天だったために中止になりました。
湯沢からは総勢15人が参加しました。往復共、いつものように南雲事務局長が運転しました。
途中の道の駅やコンビニなどで十日町市の人たちや南魚沼市の人たちのマイクロバスと出会いました。
途中の道の駅やコンビニなどで十日町市の人たちや南魚沼市の人たちのマイクロバスと出会いました。
帰路のバスの中では、リレートークをした福島避難者:高橋真由美さんの話に涙を誘われたこと、そして「制服向上委員会」のメンバーの話がとてもしっかりしていて感銘を受けたこと、またあれだけ敢然と脱原発と反安倍政権を貫きながら、体制側の圧力につぶされることなく頑張っていることに感服したことなどが語り合われました。
添付書類 1.メーンスピーチ(武藤類子さん)のレジメ
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原発事故は終わらない
■福島の現状
事故を起こした東京電力福島第一原発は、溶け落ちた核燃料がどこにあるかも分からず、汚染水の問題は深刻化している。毎日、空へ海へ放射性物質が放出されている。現在、1日約7000人の作業員が過酷な被曝労働に従事している。下請け構造が更に多重化し、搾取と危険の中にあり死亡事故も発生している。除染による放射性廃棄物は、県内いたる所に山積みされ、あるいは校庭や家の庭に埋められている。1キロ当たり8000ベクレル以上の放射性ゴミを減容化するという焼却炉は、原発関連企業が受注し、利権は繰り返されている。
国と福島県は、放射線量がまだ十分下がりきらない地域の避難指定を解除し、避難者の借り上げ住宅制度の廃止や賠償の打ち切りを、当事者の声を十分に聴かぬままに決めた。子どもをターゲットにした新たな放射能安全神話は、被曝への警戒心や健康不安への言葉を封じ込める。帰還政策とは、放射能がある場所へ我慢して帰って暮らせと言うことだ。多発であるという警告を受けて、早急な調査と対策がされるべき小児甲状腺癌は、増え続けている。
福島県の災害関連死は、津波で亡くなった人をはるかに超えた。ふるさとへの郷愁と放射能への不安のはざまで、精神の疲れは限界だ。
■原発事故の責任追及
東京電力福島第一原発事故の刑事責任を問うため、福島原発告訴団の約1万5千人が刑事告訴した事件は、東京第五検察審査会が2回にわたり「起訴すべき」と断じ、勝俣恒久東電元会長、武藤栄元副社長、武黒一郎元副社長の3名が強制起訴されることとなった。
今後、裁判所が指定した検察官役の5人の弁護士が補充捜査を行ったのち、来年にも刑事裁判が開かれる。未曽有の被害を引き起こした原発事故の刑事責任が、ようやく問われようとしている。
その起訴議決のポイントは、
1.事故を予見することができた
政府の機関が、福島県沖でも大地震による巨大津波が起こりうることを発表しており、科学的根拠のある予測として知られていた。東京電力はそれをもとに試算をし、15・7mの津波が来るという予測を得ていた。過去の原発訴訟で最高裁判所が、原発は過酷な事故を「万が一にも」起こらないように設置されるべきという判決を出しており、政府も新たな原発耐震指針に「極めてまれではあるが」起こりうる大津波に対策を取るよう示した。勝俣元会長、武黒・武藤元副社長は、原発の安全対策を第一に考えるべき責任者として「極めてまれ」に発生する津波による事故を「万が一にも」起こさない義務があり、実際に予見することができる立場にあった。
2.事故を回避することができた
予測した15・7mの津波に対し、建屋敷地に10mの防潮堤を造れば防ぐことができるという報告を受けていた。また、対策を実施するまでの間は、原発を停止させて事故を防ぐべきだった。東電は、今回の事故のような非常時に備えるマニュアルがなかった。事前に原発停止まで含めた安全対策を取っていれば事故は防げたのに、経済性を優先させ、事故の可能性に目をつぶってきたために事故が起きた。
■再ぴ!「ひだんれん」福島県民集会&県申入れ行動
原発事故被害者団体連絡会(ひだんれん)が7月27日に福島県知事に提出した、住宅無償提供打ち切り・避難指示区域解除・賠償打ち切りの撤回を求める要請に対し、内堀知事の回答は、具体性もなく、納得のいかない不十分なものでした。ひだんれんは再度、県知事への要請を行います!ぜひご参集ください!
(後 略)
添付書類 2.集 会 宣 言
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【 集 会 宣 言 】
安倍政権による原発推進政策のもと、九州・川内原発の再稼働につづき全国の原発が再稼働に向かいつつあります。ここ新潟県でも、東京電力が柏崎刈羽原発の再稼働に向けて、新潟本社を設立して広報態勢を強化しています。柏崎市議会と刈羽村議会は、商工会議所などが提出した「早期再稼働を求める請願」を採択しました。福島の検証と総括がないまま、原子力規制委員会は、安全を保障する訳ではない新規制基準を策定して審査を実施しています。そして柏崎刈羽原発を優先的に審査することを宣言し、実行しています。県と30キロ圏内の市町村は、福島に学はない実効性のない避難計画を策定しつつあります。これは再稼働のアリバイ作りとしか思えません。こうした住民の命を無視して原発の再稼働に向かう動きを私たちは断じて許しません。
福島原発事故をはじめ過去の重大事故で明らかなように、人の手による原発の制御はできません。人類は原発と共存できません。原発立地地域の経済も再生可能エネルギーヘの転換などによって、原発抜きでも長期的な経済発展は可能であり展望もあります。
本日私たちは、福島原発事故の当事者である東京電力の総出力世界一の原発が立地する柏崎で、昨年8月の集会に続いて再び大規模な集会を成功させ、再稼働反対と廃炉を求める多くの住民・県民・国民の意思を示すことができました。
原発事故から4年半が経過しているにもかかわらず、いまだに11万人もの避難者
を出している「福島」の実態を見つめ、原発事故及び原発そのものの非人道性を再確
認し、住民・県民・国民の命こそ最優先されるべきものと考えます。私たちは、東京電力・柏崎刈羽原発の再稼働をさせず、廃炉への運動を今後も一層発展させることを宣言いたします。
2015年10月11日
「2015なくそテ原発・柏崎大集会」 参加者一同