2015年10月13日火曜日

13- 高浜3、4号はプルサーマル運転を予定

 高浜原発3、4号機については、この4月に福井地裁で運転差し止め仮処分が下されました。関電はそれに不服を申し立てたため現在同地裁で異議審査が行われていますが、最終的に運転差し止めが覆ったときには、3、4号機ともプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を一部装荷する「プルサーマル運転」を採用し、その前提で4号機新燃料使用前検査を受ける予定だということです。
 
 プルサーマル運転は通常のウラン燃料よりも発熱量が大きく原子炉の負担が大きいとして、福島原発事故以前から反対運動が展開されて来ました。
 そもそも高浜3,4号機の運転は危険であるということから、運転停止の仮処分が行われたものです。それが覆ることを前提にして、より危険な運転方式の採用に平然と踏み切ることには、何んとも釈然としないものがあります。
 利益の追求のためには危険性などは全く意に介さない、というのが電力の本性のようです。
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高浜3、4号にMOX燃料装荷へ 再稼働時、関西電力が方針
福井新聞 2015年10月12日
 関西電力は高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の再稼働時に、原子炉でプルトニウムを燃やす「プルサーマル発電」に使うプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を装荷する方針を固めたことが11日までに分かった。4号機の再稼働前の最終手続きとなる使用前検査の申請を近く行うが、検査期間中にMOX燃料の検査も受ける方向で調整している。
 
 関電は2基の新規制基準に基づく安全審査でプルサーマル発電を考慮した申請を行い、原子力規制委員会もそれを踏まえた審査合格を決めた。ただ関電は東京電力福島第1原発事故後、MOX燃料の新燃料を搬入した際も、実際にいつ使用するかは「未定」としてきた。
 高浜3、4号機では現在、MOX燃料の新燃料24体(3号機用20体、4号機用4体)、3号機で一度燃やした燃料8体を使用済み燃料プールに保管。プルサーマル発電の実績がない4号機は、原子炉に装荷する前に新燃料の使用前検査が必要となっている。
 国が使用済み燃料を再処理してプルトニウムなどを利用する核燃料サイクル政策を堅持する中、関電はウランの有効利用や余剰プルトニウムを持たない観点から、再稼働時にプルサーマル発電を進めたい考えとみられる。
 
 2基のプルサーマル計画は、1999年に県と高浜町が事前了解した後、MOX燃料の検査データねつ造や美浜3号機の死傷事故などで中断。関電は2010年12月に3号機でMOX燃料を初めて装荷し、定期検査に入る12年2月まで国内4例目となるプルサーマル発電を行っていた。
 新基準に事実上合格した原発の中では、四国電力伊方3号機(愛媛県伊方町)もプルサーマル発電での再稼働を目指している。
 
 高浜3、4号機は安全審査に合格したものの、運転差し止めを命じた福井地裁の仮処分決定をめぐる異議審が続いており、再稼働時期は見通せていない。