凍土遮水壁の外側の岸壁沿いに構築していた鋼製遮水壁が26日に完成します。
東電によれば、この遮水壁が完成すれば海に流れ出す地下水の量が1日10トンにまで減るので、汚染水対策は解決への大きな節目を迎えるということです。
しかしこれまでは阿武隈山系に源を発する原発敷地の地下水流は日量約千トンで、そこから建屋地下室に流入する300トンを差し引いた水量(700トン)が海洋に流出しているとされていました。それが何故10トンに減るのかが分かりません。
そもそも流れの一部を遮水しても、水は壁の両端を迂回して海へ流れるだけで、上流から連続的に敷地内に流入する地下水流を停止させることなど出来ません。
海洋汚染の問題は漁協だけでなく海外からも注目されているので、もっと誰もが納得できる明解な説明をすべきです。
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福島第一原発 遮水壁が26日にも完成へ
NHK NEWS WEB 2015年10月24日
東京電力福島第一原子力発電所で、汚染された地下水が海に流れ出すのを防ぐため、護岸を鉄の壁で完全に囲う「遮水壁」と呼ばれる設備が26日にも完成する見通しであることが分かりました。事故から4年半余りたって汚染水対策は大きな節目を迎えることになります。
福島第一原発では毎日400トンの地下水が敷地から海に流れ出していて、一部は原子炉建屋の周辺など汚染された場所を通るため、海を汚染する原因の一つと指摘されています。
このため東京電力は、事故の翌年から、護岸沿いの地中に深さ30メートル、780メートルにわたって鋼鉄製の壁を作り、海に流れ出す地下水を遮る「遮水壁」の建設作業を進めていました。このうち、鋼鉄の板を打ち込む作業はすでに終わっていて、26日にも隙間をセメントで埋める最終段階の作業が終わる見通しであることが分かりました。
遮水壁でせき止めた地下水はポンプでくみ上げ、浄化したうえで海に流すことにしていて、東京電力は、今後、せき止めた地下水の水位を監視するなどして効果を確かめることにしています。
東京電力は、遮水壁が完成すれば海に流れ出す地下水の量が1日10トンまで減り、放射性物質の流出も大幅に抑えられるとしていて、大きな課題となってきた汚染水への対策は、事故から4年半余りたって大きな節目を迎えることになります。