3日、大津市で「第32回日本環境会議」滋賀大会が開かれ、前滋賀県知事の嘉田由紀子氏が「避難計画は実効性に欠け、事故が起きた場合、琵琶湖の放射能汚染は免れない」と、原発再稼働の危うさを語りました。
元京都大原子炉実験所員の小出裕章さんは、福島原発事故で大気中に放出されたセシウム137が広島に投下された原爆の約170発分に匹敵すると紹介し、「原発事故は途方もなく悲惨で、再稼働はやめるべきだ」と主張しました。
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原発再稼働は不要 嘉田氏、政府の対応批判 滋賀で日本環境会議
京都新聞 2015年10月4日
環境問題について専門家が議論するシンポジウム「第32回日本環境会議」滋賀大会が3日、大津市北比良のびわこ成蹊スポーツ大で行われた。前滋賀県知事で「卒原発」を唱えた嘉田由紀子同大学学長らが原発再稼働の危うさを語った。
日本環境会議(東京都)が主催し、毎年開催している。滋賀県での大会は2回目。今回は「地域環境保全と原子力発電」をテーマに全国から約220人が参加した。
講演では、嘉田学長が県知事時代の活動を報告。「政府は住民を原発事故から守る意志が欠落しており、避難計画も実効性に欠ける」と批判し、「事故が起きた場合、琵琶湖の放射能汚染は免れない」と訴えた。
元京都大原子炉実験所助教の小出裕章さんは、東日本大震災による東京電力福島第1原発事故で大気中に放出した放射性物質セシウム137が広島に投下された原爆の約170発分に匹敵すると紹介し、「原発事故は途方もなく悲惨で、再稼働はやめるべきだ」と主張した。
「びわこの保全と若狭の原発」と題した討論会もあり、NPO法人の代表や大学教授ら3人が原発に依存しないエネルギー社会の実現に向け意見を出し合った。