2017年1月28日土曜日

28- 東芝、原発建設工事からは撤退し原子炉などの単体納入へ

 東芝は、先に買収した米ウェスチングハウス(WH社に起因する損失額が7000億円にも達するということです。気の遠くなるような巨額の損失ですが、一体どういう経過でそんなことになったのでしょうか。それに対する対応も悠長に見えて、いわゆる「大男 総身に知恵が回りかね」の感じがします。
 
 損失の穴埋めとして「稼ぎ頭」だった半導体事業の一部を分社化し、外部から出資を受け入れること “債務超過” を回避することを目指します。
 これまで東芝は2030年度までに世界で45基以上の原発を受注する目標を掲げていましたが、それは縮小し、今後原発建設工事分野からは手を引き、原発の設計や原子炉などの単体の製造・納入に専念するということです。
 原子炉容器(や蒸気発生器)などの超大型の鋳鍛鋼タンクの世界におけるシェアは日本が80%を占めているので、それに限定しても手堅い営業が出来るという見通しが得られたのでしょう。
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東芝 “巨額損失”、原発受注目標「縮小」へ
 TBSニュース 2017年1月27日
 アメリカの原発事業で巨額の損失を計上する見通しとなった東芝は27日、半導体事業の分社化を正式に決定します。こうしたなか、東芝が海外での原発の受注目標を縮小する方向で検討していることがJNNの取材で分かりました。
 
 7000億円規模という巨額の損失を計上する見通しとなった「東芝」は現在、取締役会を開いています。取締役会では損失の穴埋めとして「稼ぎ頭」だった半導体事業の一部を分社化し、外部から出資を受け入れることを決める予定です。
 外部からの出資比率は199%にする方向で、2000億円から3000億円程度を調達するとみられています。この資金で「東芝」は負債が資産を上回る “債務超過” を回避したい考えです。
 
 一方で、損失の原因となった原発事業について、「東芝」は2030年度までに世界で45基以上の原発を受注する目標を掲げていましたが、この目標を縮小する方向で検討していることが分かりました。これは、「東芝」が原発事業のうち新規建設の分野については、撤退する方針を固めたためです。
 これまで受注を目指してきたインドとイギリスでのあわせて9基の原発について、東芝の幹部は「建設工事に責任を負うような受注はやめる。受注目標の数字は変わるかもしれない」と明言しました。主力事業の切り売りが相次ぐ「東芝」。再生は “茨の道” となります。