中国電力島根原発2号機で昨年12月、中央制御室と外部をつなぐ空調換気ダクトの保温材を外したところ、腐食によってできた穴が19個見つかり、最大のものは縦約30センチ、横は約1メートルもありました。穴以外にも広範囲の腐食が確認されました。
塩分を含んだ潮風はステンレス鋼も腐食させます。増して普通の鉄鋼であれば尚更です。
中央制御室は事故発生時には外気を遮断し気密状態にする必要がありますが、ダクトが穴だらけでは全く遮断されず、所期の気密にする目的は達成できません。
中国電力は建設以後20数年間一度も詳細な点検をしていなかったということで呆れますが、他の
全ての原発でも似たような状況のようです。
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原発40基 詳細点検せず 配管腐食 再稼働の川内・伊方も
しんぶん赤旗 2017年1月15日
全国の商用原発42基のうち40基で、重要設備である中央制御室の空調換気配管(ダクト)の詳細な点検が行われていなかったことが14日、原発を保有する電力9社と日本原子力発電への取材で分かりました。中国電力島根原発2号機(松江市)の換気配管では腐食による穴が多数見つかっており、事故が起きた場合に機能を維持できない恐れがあります。
中国電は昨年12月、運転開始後初めて島根2号機で配管に巻かれた保温材を外し、腐食や穴を発見。必要な機能を満たしていないと判断し、原子力規制委員会に報告しました。再稼働した九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)や関西電力高浜原発3、4号機(福井県)、四国電力伊方原発3号機(愛媛県)の点検も保温材を外しておらず、規制委は全国の原発の実態を確認します。
中央制御室は原発を運転・監視する中枢施設で、運転員が24時間常駐。通常は配管を通じて外気を取り入れ換気しますが、事故発生時には外気を遮断し、機密性を保つ機能が求められます。
原発を保有する各社によると、島根2号機と北陸電力志賀原発1号機(石川県)を除く40基で、保温材を外さないまま配管の外観点検が行われていました。外気取り入れ口付近の目視点検や異音検査などが実施された例はありましたが、配管の保温材を全て外した上での目視確認は行っていませんでした。
一方、北陸電は2003年に志賀1号機の配管でさびを発見。保温材を外して点検し、08年に取り換えました。
規制委は島根2号機で見つかった腐食について「規制基準に抵触する可能性がある」とみています。中国電は「海に近いため塩分を含んだ空気が配管に流れ込み、腐食が進んだ可能性がある」と説明しています。
日本の原発は発電用タービンを回した蒸気を海水で冷却し循環させるため、海辺に立地しています。
島根2号機の配管腐食
松江市にある中国電力島根原発2号機で2016年12月、中央制御室と外部をつなぐ空調換気配管(ダクト)の保温材を外したところ、腐食によってできた穴が見つかりました。穴は同月下旬までに計19個見つかり、最大で縦約30センチ、横は約1メートルありました。穴以外にも広範囲の腐食が確認されました。保温材を全て外すのは1989年の運転開始以来初めてでした。換気配管は安全上重要な設備に該当します。
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