柏崎刈羽原発の緊急時の対応拠点免震棟が想定したすべての地震の揺れに耐えられないという結果が3年前に得られていたのに、東電はそれを規制委等に対して事実上隠蔽していました。
そして14日にそのことを明らかにするに当たり、「土木部門が行った試算が設備の設計を担当する部門に伝わっていなかった」からという摩訶不思議な理由づけをしました。そんな奇妙な説明に「ああ、そうですか」などとはとても言えません。
新潟県は16日、米山知事名で、東電の廣瀬直己社長宛てに、事実と異なる説明をしていた原因と経緯や再発防止策、そして今後は事実に基づいて説明することを求める文書を送付しました。
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柏崎刈羽原発 耐震性の誤った説明 新潟県が東電に報告要請
NHK NEWS WEB 2017年日2月16日
新潟県にある柏崎刈羽原子力発電所の緊急時の対応拠点の耐震性をめぐり、東京電力が誤った説明をしてきたことに対し、新潟県は16日、東京電力に詳しい経緯の報告などを文書で要請しました。
柏崎刈羽原発6号機と7号機についての原子力規制委員会の審査で、東京電力は14日、緊急時の対応拠点、「緊急時対策所」とする計画の2つの建物のうち免震構造の建物について、想定したすべての地震の揺れに耐えられないという結果が3年前に得られていたのに、部門どうしの情報共有ができていなかったため、これまで誤った説明をしてきたと明らかにしました。
この問題について、新潟県は16日、米山知事名で東京電力の廣瀬直己社長宛てに要請文を送付しました。この中では、「東京電力は、そもそも安全確保のため第三者の目を入れたいとして審査の申請をしているのに事実と異なる説明をしていたのでは、安全確保はできない」と厳しく指摘しています、そのうえで、事実と異なる説明をしていた原因と経緯や再発防止策、そして、安全対策に関わることは事実に基づいて説明することを求めています。
柏崎刈羽原発で現地調査 規制委「信用に関わる問題」
NHK NEWS WEB 2017年2月16日
新潟県にある柏崎刈羽原子力発電所で原子力規制委員会の現地調査が行われ、委員は緊急時の対応拠点の耐震性をめぐり東京電力が誤った説明をしてきたことに触れ「信用に関わる問題だ」として東京電力の組織の面を規制委員会としても確認していく必要があるという考えを示しました。
柏崎刈羽原発6号機と7号機の再稼働の前提となる原子力規制委員会の審査は終盤に入っていて、16日は規制委員会の更田豊志委員らが現地調査を行いました。
委員らは、東京電力が緊急時の対応拠点緊急時対策所の1つとする予定の5号機の部屋の広さや位置、それに5号機の東側にある緊急時に作業員が移動する林道などを確認しました。調査のあと更田委員は、「5号機の対策所だけで規制基準に適合するレベルを満たすことは不可能ではない」と述べ、この施設の対策は評価できるとしました。
一方、柏崎刈羽原発の審査では、東京電力がもう1か所、緊急時対策所とする計画の建物の耐震性をめぐり、3年前、想定した地震の揺れに耐えられないという試算の結果が得られていたのに、社内の情報共有が不十分で誤った説明をしてきたことを14日に明らかにしています。これについて更田委員は「信用に関わる問題で説明責任がある。東京電力の組織文化を何らかの形で確認する必要がある」と述べました。規制委員会は東京電力から詳しい経緯や再発防止策を聞くことにしていて、今後の議論が注目されます。