東電は柏崎刈羽原発の緊急時の対応拠点となる免震構造建物の耐震性について、3年前に強度上問題があると分かったのにそれを明らかにしなかったことについて、「当時の責任者が信頼性に劣ると判断し、社内でも示してこなかった」、「免震重要棟を有効に活用したい思いが社内で強かった」、「自分たちの論理での説明に終始することが度重なったと認めざるをえず、大きな反省事項だ」と述べたということです。
言葉のつながりが良くわかりませんが、免震重要棟が強度不足であってもなるべくなら使いたいという思いがあったということでしょうか。どんなに便利であっても、大地震の時に持たないことを隠して建物を使わせるのは犯罪です。東電が当初そこまでこだわったのは、余震が波状的に襲う中でも免震棟であれば支障なく緊急時対応ができるからでしょう。
それを大地震にもたないとされた途端に、建物の強度を上げる変更を行うのではなく、免震棟を使わないことにすると決定しました。本当にそれで緊急時対応が支障なくできるのでしょうか。
米山新潟県知事は「果たしてそれで安全が確保できるのか疑問に感じる」と述べています。
規制委は結果的に隠蔽した事態に対して「原因の分析が不十分」としましたが、重要棟を免震棟にしないことについては既に了承したようです。それならなぜ当初免震棟を推薦したのでしょうか。規制委の対応も釈然としません。
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柏崎刈羽原発の耐震不足の説明 規制委「原因分析不十分」
NHK NEWS WEB 2017年2月23日
新潟県にある柏崎刈羽原子力発電所で、建物の耐震不足に関して誤った説明をしていた問題をめぐり、東京電力は原子力規制委員会の会合で。これに対し、規制委員会側は原因の分析が不十分だとして、さらなる説明を求めました。
柏崎刈羽原発6号機と7号機の再稼働の前提となる審査で、東京電力は、緊急時の対応拠点となる免震重要棟の耐震不足に関して誤った説明をしていたと明らかにし、この建物を対応拠点として使わない方針を示しています。
23日の原子力規制委員会の会合で、東京電力の担当者は、3年前に得られていた想定されるすべての地震の揺れに耐えられないという結果になった試算について、「当時の責任者が信頼性に劣ると判断し、社内でも示してこなかった」と経緯を説明するとともに、「免震重要棟を有効に活用したい思いが社内で強かった」とも述べました。そのうえで、「自分たちの論理での説明に終始することが度重なったと認めざるをえず、大きな反省事項だ」と述べました。
これに対し、規制委員会側からは対策を立てるにしても原因分析が不十分だという指摘が出され、引き続き、説明を求めることになりました。規制委員会は近く、東京電力の廣瀬直己社長からもこの問題を含め組織体制についての考えを聞くことにしています。
一方、東京電力は、柏崎刈羽原子力発電所が立地する新潟県の2つの自治体を訪れ、一連の経緯を説明するとともに謝罪しました。
自治体を訪れたのは東京電力新潟本社の木村公一代表らで、このうち、柏崎市役所では桜井市長と面会しました。冒頭、「お騒がせしてしまい、申し訳ありませんでした」と謝罪するとともに一連の経緯を説明し、再発防止と組織の体質の改善に努める姿勢を示しました。
これに対し、桜井市長は「非常に遺憾で、真相の究明と組織づくりに力を尽くしてほしい」と応えていました。面会後、桜井市長は、今回の事態を受けて「不安が大きくなったというのが現状で、再稼働の議論はより一層厳しくなると思っている。極端に言えば、再稼働の意義を認めないという可能性もある」と厳しく指摘しました。
このあと東京電力は、刈羽村役場で品田村長に、同様に謝罪と説明を行い、品田村長は「着実に対応ができるよう最良の取り組みをしてほしい」と話していました。
面会後、東京電力新潟本社の木村代表は「痛恨の極みという思いだ。抜本的部分を是正しないかぎり、信頼を得る近道はない。一人一人に、体質の是正を進めていることの説明をしていくしかない」と話していました。
柏崎刈羽原発 緊急時の対応拠点了承 伝達誤りは問題視
NHK NEWS WEB 2017年2月21日
新潟県にある柏崎刈羽原子力発電所の再稼働の前提となる審査で、東京電力は耐震性の不足に関して誤った説明をしていた免震重要棟を、緊急時の拠点として使用しない方針を示しました。原子力規制委員会はこの方針を了承しましたが、重要な情報の伝達の誤りを問題視していて、運転する能力があるか、今後の審査で慎重に見ていくとしています。
柏崎刈羽原発6号機と7号機の国の審査では、「緊急時の対応拠点」の耐震性が残る焦点の1つですが、この拠点の1つとしていた免震重要棟の耐震不足をめぐり、東京電力が誤った説明をしていたことが先週、明らかになりました。
これについて、規制委員会の委員からも「信用に関わる問題だ」などと厳しい指摘が出されたことから、東京電力が対応を検討した結果、21日の審査会合で、免震重要棟の使用を取りやめ、別の建物を使って緊急時の対応を行う方針を示しました。
規制委員会は、この方針について規制基準を満たしているとして了承しましたが、田中委員長は、誤った説明がされてきたことについて「非常に重症だ」と指摘し、重要な情報の伝達の誤りを問題視していて、東京電力に運転する技術的な能力があるか、組織面についても審査で慎重に見ていくとしています。
米山知事「安全が確保できるのか疑問」
新潟県にある柏崎刈羽原子力発電所の緊急時の対応拠点として免震重要棟を使わない方針に変更したことについて、新潟県の米山知事は「率直に言って、やや納得しがたい部分もあり、果たしてこれで安全が確保できるのか疑問に感じる」と不信感を示しました。
さらに、「そもそもなぜ、免震重要棟の耐震性が不足し、事実と異なる説明をしていたのかについて、詳細で具体的な説明をしてほしい。この疑問に対する早期の説明を求めていく」と述べました。