蓮舫氏が小沢一郎氏と17日に会談した際に、「30年原発ゼロを ぶれずにやる」と語ったことについての共同通信の記事はあまりにも短いものでした。21日の時事通信と夕刊フジはもう少し長い記事で、その後の民進党内の様子を含めて報じました。
蓮舫氏は小沢氏に「30年原発ゼロ」で党内をまとめる意気込みを示しましたが、例によって連合傘下の労組系議員からは反発が出ています。しかし民進党もせめて蓮舫氏レベルの決断が出来なければこのままじり貧の方向を辿るしかありません。
3月の党大会をどんな形で迎えるのか見守りたいと思います。
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党内混乱、収束めど立たず=蓮舫氏、脱原発めぐり正念場―民進
時事通信 2017年2月21日
民進党が次期衆院選のエネルギー政策で、「2030年代」としてきた脱原発の目標を「30年」に前倒しする是非をめぐり、党内の混乱が収まりそうにない。蓮舫代表は「30年原発ゼロ」を3月の党大会で打ち出したい考えだが、労組系議員らを中心とする勢力が抵抗。蓮舫氏は指導力が問われかねない状態に陥っている。
「自分の意志は貫きたい」。蓮舫氏は自由党の小沢一郎代表と17日に会談した際、原発ゼロの目標を「30年」と設定することへのこだわりを見せた。小沢氏は歓迎したという。
党内では蓮舫氏の意向を受け、党エネルギー環境調査会(会長・玄葉光一郎前外相)で、議論を開始した。原発ゼロに向けた工程表に「30年」と明記することを模索。玄葉氏は1日、「これまでより一歩踏み込んだものにしたい」と意欲を見せていた。執行部内でも評価する声はある。
しかし、これにかみついたのが、党最大の支持団体である連合傘下の労組系議員。原発を抱える電力会社などの組合員で構成する電力総連や電機連合の支援を受けている。
実際、16日の調査会会合では、蓮舫氏の方針に労組系から異論が噴出。旧民社党系幹部の高木義明元文部科学相が「前倒しの必要はない」と言い切るなど徹底抗戦の構えを見せた。
労組も動いている。電力総連、基幹労連、電機連合の幹部は17日、野田佳彦幹事長と会い、「30年原発ゼロ」方針を再考するよう要請した。
労組や関係議員らが慎重姿勢を崩さないのは、原発ゼロが急速に進めば、原発事業に携わる組合員らの雇用が不安定になりかねないとの懸念がある。
党内の亀裂が深まることを懸念してか、当初は前向きだった玄葉氏も16日、党大会までに方向性が出るかについて、記者団に「詳細にわたる結論は絶対に無理だ」とトーンダウンした。
調査会は22日に議論を続行するが、蓮舫氏の期待する方向で意見集約が進む見通しは立っていない。「決め打ちして議論しているわけではない。難しい課題なので丁寧に慎重に議論したい」。大串博志政調会長は21日の記者会見でこう語るにとどめた。 [時事通信社]
蓮舫氏、原発ゼロ前倒し「引かない。ぶれずにやる」
小沢氏に決意伝える
夕刊フジ 2017年2月21日
民進党の蓮舫代表が、自由党の小沢一郎共同代表と17日に会談した際、民進党の「2030年代原発ゼロ」目標の前倒しについて「引かない。ぶれずにやる」と、実現に強い決意を伝えていたことが分かった。関係者が20日、明らかにした。
民進党執行部は、次期衆院選に向け安倍政権との違いを出すため、原発ゼロの目標時期を「30年」に見直ししたい意向。しかし支持組織の連合は慎重なため、執行部とのあつれきが広がる可能性がある。
蓮舫氏は、連合傘下で原発を推進する電力総連の幹部に対し、前倒しへの理解を求めた日の夜に小沢氏と会談した。
小沢氏は原発政策を念頭に「あなたが勇気を持って決断すればいい。党内は誰も文句は言えない」と指摘。
連合は会談について「原発ゼロのために会ったとしか思えない」(幹部)と警戒を強めている。