2015年12月8日火曜日

08- 「原発再稼働 規制委の在り方問う」市川市で12日に講演会

 福島原発の大事故を機に、旧原子力安全・保安院が原子力ムラにべったりで、規制する機能が欠けていたことを反省し、新しく原子力規制委員会・規制庁を発足させました。しかしそれは文字通り「衣替え」ということに過ぎませんでした。
 新しい規制基準が制定されると安倍首相は世界一厳しい基準だと豪語しました。原子力規制委も一方でそれを是認するそぶりを見せていますが、作られた基準は多重防護の中でも住民の被ばくを防止するために最も重要な「第5層=住民の避難」が完全に欠落したものでした。
 また海外では取り入れているコアキャッチャーも原子炉格納容器の対空爆防護性もないものでした。
 耐震性も所詮は現設備が有している耐震性をそのまま是認する(=基準地震動をその範囲内に収める)というものでした。
 規制委は、規制基準の合格は原発の安全性を保障するものではないと責任回避をしつつ、直下に活断層さえなければ原則として再稼働させるという姿勢を貫いています。
 発足してから3年あまり、規制委がかつての保安院と同様に原発を規制する機能をほとんど持たない、原子力ムラ寄りの組織であることが明瞭になりました。
 
 千葉県市川市民の会が12日、原子力規制委の在り方を問う講演会「原子力規制委は原発再稼働推進委員会」開きます
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「原発再稼働 規制委の在り方問う」 市川市民の会 12日に講演会 (千葉)
東京新聞 2015年12月7日
 電力各社が原発の再稼働に向けて動くなか、新規制基準に基づいて審査する原子力規制委員会の在り方を問う講演会「原子力規制委は原発再稼働推進委員会」が十二日、市川市文化会館で開かれる。
 
 講師は市民団体「再稼働阻止全国ネットワーク」事務局の木村雅英さん(67)=東京都八王子市在住。「『世界一きびしい規制基準』(安倍内閣)ってな~に?」をテーマに、ことし八月の1号機に続いて、2号機も再稼働した九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県薩摩川内市)について規制委の審査の甘さや非公開の姿勢、安全性の問題点などを話す。
 
 川内原発は「新基準の適合第一号」となったが、木村さんは「地震対策をないがしろにしている。フィルター付きベントも、免震重要棟も完成しておらず、十分な避難計画や火山噴火予測対策もない」などと指摘。規制委の政府からの独立性を疑問視し、「再稼働ありきの規制委」と批判してきた。
 
 戦争はいやだ!市川市民の会の主催。資料代五百円。時間は午後一時半~四時半。問い合わせは菊池さん=電090(6948)8998=へ。 (野呂法夫)