2015年12月19日土曜日

「遮水壁」設置で汚染水がさらに増加 福島原発

 10月26日に護岸沿いに鋼管製遮水壁が完成してからもうじき2カ月になります。当時東電の試算によれば、壁水壁により地下水の流出量は一日400トンから10トンにまで減り、セシウムの流出量も約40分のになるとされていましたが、一体どういう考え方でそうなるのか理解に苦しむものでした。
 実際にはせき止めた地下水は減らず、遮水壁の周辺から1日400トンをくみあげて建屋内に入れていて、そのまま汚染水として貯蔵しているということです。
 結局汚染水の発生量は遮水壁完成前よりも増えたことになり、遮水壁には何の効果もありませんでした。
 
 いつものことですが、東電の計画はどうしてこんなにお粗末なのでしょうか。
 
※ 11月24日 福島原発 海側遮水壁1カ月 外洋流出に効果見えず

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福島第一原発 「遮水壁」設置で汚染水さらに増加
NHK NEWS WEB 2015年12月18日 
東京電力福島第一原子力発電所では、護岸沿いに「遮水壁」と呼ばれる壁を設け、汚染された地下水が海に流れ出すのを抑えていますが、せき止めた地下水の大半を浄化設備に流すことができず、汚染水がさらに増えるという新たな課題が起きていることが分かりました。
 
福島第一原発では、ことし10月、護岸沿いに「遮水壁」と呼ばれる鋼鉄の壁が設けられ、汚染された地下水が海に流れ出るのを抑えていて、せき止めた地下水の多くは放射性物質を取り除いたうえで海に流す計画でした。
ところが東京電力は、18日に開かれた原子力規制委員会の会合で、「遮水壁」の周辺などからくみ上げた地下水を、海ではなく建屋内に1日当たり400トン入れていることを報告しました。その理由について東京電力は、護岸沿いの地下水には海水が混ざっていて塩分が濃く、浄化設備に流すことができないほか、くみ上げる量が想定以上に多くなったことを挙げています。
一方で東京電力は、建屋の周辺にある「サブドレン」という井戸から地下水をくみ上げる対策などで建屋内に流れ込む地下水を当初の1日400トンから200トンに抑えたとしていますが、遮水壁の周辺からくみ上げた地下水を建屋内に流しているため、汚染水の増え方がかえって早まるという新たな課題となっています。
東京電力は、「今後、上流での地下水のくみ上げ量が増えていけば、護岸でくみ上げる地下水の量は減っていくほか、水質の変化を見ながら浄化設備に流す量を増やし、汚染水の増加を抑えたい」としています。 
 
 
福島、遮水壁完成で汚染水増加 規制委が懸念
東京新聞 2015年12月18日 
 東京電力は18日、福島第1原発護岸から汚染地下水が染み出るのを防ぐ「海側遮水壁」が完成したのに伴い、せき止められた地下水を建屋に移送していることを原子力規制委員会に報告した。建屋地下の汚染水が新たに1日約400トン増加するという問題が生じているという。
 規制委の更田豊志委員長代理は「水を建屋に戻さなければならないのならば、(汚染水対策は)かえって悪い結果になっている」と懸念を示した。
 
 東電によると、海側遮水壁付近にある「地下水ドレン」と呼ばれる井戸で水をくみ上げ、付近の井戸の水と合わせて1日約400トンをタービン建屋に移送している。(共同)