郡山市の品川万里市長が11月30日、新潟市に自主避難している市民6家族9人と初めて懇談し、悩みや生活再建の課題について意見を交わしました。
参加者からは放射線への不安や、避難先の住宅の無償提供が2017年3月で打ち切りになることへの懸念のほか、学校給食の検査基準を市独自に厳しく設定すべきだとの意見も出ました。
出席者の一人は「戻れないという緊迫した状況が5年も続くことを訴えたが、話はかみ合わず行政との擦れ違いを感じた。自主避難者は少数派だが、もっと心を寄せてほしい」と訴えました。
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<自主避難> 行政はもっと心を寄せて
河北新報 2015年12月1日
福島県郡山市の品川万里市長は11月30日、東京電力福島第1原発事故で新潟市に自主避難している市民と初めて懇談し、悩みや生活再建の課題について意見を交わした。参加者からは放射線への不安や、避難先の住宅の無償提供が2017年3月で打ち切りになることへの懸念の声が上がった。
懇談会は郡山市が開設した交流スペース「にいがたサロン」であり、6家族9人が集まった。非公開で参加者らによると、市は除染によって戻れる環境を整えていることなどを説明した。参加者からは安全面や健康面の不安を訴える声が相次ぎ、学校給食の検査基準を市独自に厳しく設定すべきだとの意見も出たという。
品川市長は終了後、取材に対し「避難者の方の考えをできる限り伺い、制度的に何ができるか検討したい。子どもの居場所づくりなどきめ細かい情報提供にも努めていく」と話した。
中学生の2人の娘と母子避難を続ける磯貝潤子さん(41)は「戻れないという緊迫した状況が5年も続くことを訴えた。話はかみ合わず行政との擦れ違いを感じた。自主避難者は少数派だが、もっと心を寄せてほしい」と訴えた。
郡山市によると、同市の自主避難者4623人のうち、新潟市内には最多の539人が身を寄せている。