政府は「2017年3月までに福島県の避難指示区域を解除」する方針ですが、それに伴って幼稚園と小学校、中学校を再開するというのが飯館村の方針です。
しかし国による除染が事故から6年目の17年3月までに完了するという建前どおりに、本当にそこに居住できるかどうかは不明です。空間線量はほとんど下がらず、居住を可能とする社会的条件が満たされないままに避難指示が解除されても、結局は極めて少数者(老人など)しか帰還しないというのが他所での実情です。
国は拙速に避難指示を解除するのではなく、さらに2~3年を掛けて村の人たちが納得して帰還できる客観的な条件を満たすことが重要です。
同村の保護者有志でつくる「飯舘村の子どもの将来を考える会」は、独自に行ったアンケートをもとに幼稚園や小・中学校の再開時期を遅らせるよう村側に要望する方針を固めました。
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学校再開の延期要望へ 飯舘村、保護者有志が方針
福島民友 2015年12月11日
2017(平成29)年4月に村内で幼稚園と小学校、中学校を再開するとの飯舘村の方針をめぐり、保護者有志でつくる「飯舘村の子どもの将来を考える会」は10日、福島市飯野町で保護者会を開き、再開時期を遅らせるよう村側に要望する方針を固めた。来年1月に要望書を提出する見通し。
同会は村の方針に反対する保護者有志でつくる会で、保護者ら約40人が参加した。保護者からは再開時期を2、3年以上遅らせるよう求める声も上がった。
同会は独自に保護者アンケートを実施。17年4月から村内で学校が再開した場合、「通わせたい」、または「できれば通わせたい」と考える保護者は13.7%にとどまり、再開時期を時期尚早と考える保護者が71.9%に上った。アンケートは保護者延べ301人を対象に実施。延べ251人から回答を得た。
村は幼稚園と中学校の仮設園舎・校舎を福島市飯野町に、小学校の仮設校舎を川俣町にそれぞれ設け、授業を行っている。
子どもたちの多くは福島市や伊達市、川俣町で避難生活を送るため、村はスクールバスを運行し送迎している。