2015年12月21日月曜日

21- 放射線リスクへの心理メカニズム 研究結果を報告

 19日、福島市で「『放射能』はなぜ嫌われるのか?―心理学者と地域の対話」と題したシンポジウムが開かれ東大や慶大などの教授陣が3年間の研究成果を発表しました。
 慶大の平石界准教授は、住民は国や県などの情報源が信頼できないとして「放射能」に過度な不安を抱く傾向があるとし、「(行政などによる)情報提供だけではマイナスな考えを変えるのに十分ではない」と述べました
 また、「放射能に関しては、あらゆる情報源が信頼されていない」などと述べたようですが、これは正しくは「行政寄り、政府寄りのあらゆる情報源」という意味かと思われます。
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放射線リスクへの心理メカニズム 研究結果を報告 大学教授ら福島で意見交わす
福島民報 2015年12月20日
 東京大などの研究者グループによるシンポジウムは19日、福島市のコラッセふくしまで開かれた。放射線の健康リスクに対する心理的メカニズムについて大学教授らが研究結果を報告した。
 研究者グループは個人の心理を分析する「行動免疫班」、情報拡散を調べる「ツイッター班」、社会への影響を分析する「社会班」の3班で構成する。いわゆる「放射能」が人の心にどのような影響を与え、社会に広がるのかを3年間にわたって研究している。
 
 各班の代表者が成果を報告し、県内の農業や食品、マスコミ関係者と意見交換した。行動免疫班は慶応大の平石界准教授が発表した。インターネット調査の結果によると、国や県などの情報源が信頼できないとして「放射能」に過度な不安を抱く傾向があるとし、「(行政などによる)情報提供だけではマイナスな考えを変えるのに十分ではない」と指摘した。
 
 
福島で"放射線嫌悪の心理"報告 風評対応へ成果生かす
福島民友 2015年12月20日 
 東大大学院情報学環教授で理学博士佐倉統氏を中心とした研究チームは19日、福島市で「『放射能』はなぜ嫌われるのか?―心理学者と地域の対話」と題したシンポジウムを開き、3年間の研究成果を発表した。
 
 シンポジウムは、原発事故後、人々が放射線を嫌って避ける心理的メカニズムや放射線を嫌う情報がツイッターなどでどのように拡散していくかを踏まえ、風評被害などへの社会的対応を考えた研究プロジェクトの成果を報告した。
 このうち人々が放射線を嫌って避ける心理的メカニズムを分析した行動免疫班の平石界慶応大准教授は「人々は福島第1原発事故をどう捉えているのか」などをテーマに全国約1700人を対象にしたアンケート結果を報告。「原発事故を原因とした被ばくによる健康被害推定について、公的機関の発表と個人の捉え方とは、かなりの乖離(かいり)がある」や「福島というエリア、生産物にネガティブな反応が少なからず見られる」「放射能に関しては、あらゆる情報源が信頼されていない」などと述べた。
 
 各報告後には、福島市の佐々木光洋ささき牛乳社長や宮崎真福島医大助手ら地域代表と対談が行われた。