2015年12月6日日曜日

「もんじゅ」の廃炉を求め規制委を提訴へ

 ナトリウム漏れ事故から8日で20年となる高速増殖原型炉「もんじゅ」福井県敦賀市をめぐり、同県や隣接県などの住民が原子力規制委を相手取り、原子炉設置許可の取り消しを求めて年内にも訴訟を起こすということです。
 
 規制委は「原子力機構には原子炉を運転する技術的能力がない」としましたが、その一方国内に原子力機構以上に能力がある主体はありません。ということは論理的に「もんじゅ」を運転できる機関は日本には存在しないということになります。
 また重大事故時には対処する方法がない設備なので、その壊滅的な破局を避けるためには廃炉にする以外に方法はありません。
 
 海外のすべての国が高速増殖炉の危険性が過大であるために開発を中止している「高速増殖炉」を、危険性を解決する方法も持たないままで運用を続けようとするのは、全く筋が通りません。
 何よりも危険極まる話です。
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廃炉求め規制委を提訴へ もんじゅ、福井などの住民
中日新聞  2015年12月5日
 福井県敦賀市の高速増殖原型炉「もんじゅ」をめぐり、同県や隣接する滋賀県などの住民が原子力規制委員会を相手取り、原子炉設置許可の取り消しを求めて年内にも訴訟を起こすことが分かった。提訴先は東京地裁が有力。ナトリウム漏れ事故から二十年となる八日、原告団が福井と東京で会見する。
 
 関係者によると、原子力規制委が先月、文部科学相に対し、日本原子力研究開発機構(原子力機構)に代わる新たな運営組織を見つけるよう勧告したのを受けて提訴する。原告団には京都府や大阪府の住民も加わる見込み。
 
 訴訟では「原子力機構には原子炉を運転する技術的能力がない一方、国内に、原子力機構以上に能力がある主体はない」「重大事故を避けるためには廃炉にする以外に方法はなく、原子力規制委には設置許可を取り消す義務がある」と主張する。
 もんじゅでは、点検漏れや機器などの重要度分類の間違いなどトラブルが続出。規制委は、新たな運営組織が見つからなければ、もんじゅのあり方を抜本的に見直すよう求めている。
 
 
反原発1200人がデモ、福井 「もんじゅを廃炉に」
東京新聞 2015年12月5日
 高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)のナトリウム漏れ事故から8日で20年になるのを前に、全国の反原発市民団体が5日、廃炉を訴えて福井市内で集会を開いた。集会後は約1200人(主催者発表)が「もんじゅを廃炉に」「核燃料サイクルをやめろ」とシュプレヒコールを上げて中心部をデモ行進した。
 
 集会では、原子力政策の研究や提言を行うNPO法人「原子力資料情報室」の伴英幸共同代表が「もんじゅはほとんど運転実績がない。必要な技術を持つ人がいないのでは」と指摘した。(共同)