2012年6月27日は、原発事故被災者を支援するための「原発事故こども・被災者生活支援法(略称)」が超党派の議員立法で成立した日です。
生活支援法ですから当然住居、生活費、医療費、地域の除染、食の安全、就職の世話等々の事柄で支援することが書かれています。
したがって不自由な避難生活を余儀なくされている人たちに取って、それは望みを託せるものであったし、議員たちの意図もそこにありました。
しかしそれから1年3カ月あまりも掛けて、復興庁が原案を作って閣議決定(2013年10月11日)された「基本方針(案)」は、被災者の期待を全く裏切るものでした。
それは単に既に応急的に細々と実施されていた事項を条文化したものに過ぎず、その対象者は福島県内在住者に限られ、除染のレベルも避難指定区域(年間被ばく量20ミリシーベルト)のままというものでした。
当時は民主党の野田政権でしたが、政治の酷薄さをそのまま方針にしたものでした。規定によりパブリックコメントは受け付けたものの内容を改めることはありませんでした。
その細々とした支援さえも、東電と政府は避難指定区域を17年3月までに解除し、損害賠償も打ち切ることを決めました。あたかも当然の権利であるかのようにしてです。
その区域はまだまだ放射線レベルが高くてとても人が住めるようなところではありません。仮に一部の人たちが戻ったとしてもとてもそこに「まち」などは形成されません。
中国に「苛政は虎よりも猛し」ということわざがあります。酷い政治が行われている村にいるよりも、たとえ虎が居ても竹林の中に逃げ出したほうがまだマシだという意味ですが、政府の被災者対策は「苛政」そのものです。
6月24日、名古屋地区に避難している被災者が名古屋駅前の広場で、被災者支援法の実際について訴えました。
8bit newsがそのことを伝えているので紹介します。
記事に載っている動画のURLは下記です。
URLをクリックすると動画が見られます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
原発事故こども・被災者支援法の日にあわせ、避難者が支援を求め渾身の訴え
8bit news 2015年6月28日
6月27日、何の日だと思いますか?
正式名「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」が3年前に施行されました。
法律の内容は、下記リンクから見ることができます。
先日、名古屋市内の駅前で、「原発事故こども・被災者支援法」を知ってもらうためのイベントが開かれました。
福島における現在の支援状況などをクイズ形式で、通行者に呼びかけたり、また、歌の披露や大道芸人によるマジックショーなどが行われ、多くの方が立ち止まっていました。中でも帰路に着くサラリーマンや若い世代が、真剣に避難者の訴えに耳を傾けていたのがとても印象的でした。
主催者の女性の訴えを、映像後半部分ノーカットで入れました。
おそらく、この部分がもっとも意見が分かれると思います。
そんなことはない、もっと違う、そういった批判的な意見もあるであろうことは承知の上で、あえてノーカットにしました。子供を持つ母親の訴えに少しでも耳を傾けてもらえたら幸いです。女性の訴えの中に出てくる「オレンジ色のパネル」には、法律によって守りますと国が言っていることとそれに対する現状が書かれていました。映像では分かりづらいので、以下に一部内容を記載しておきます。
———————————————————————————————————–
・避難者の皆さんには住宅の確保をします!
・避難者の皆さんが安心して戻れるように除染をします!
・避難者の就職口の支援を国として支えます!
・食べ物もちゃんと安心安全な物が食べれるようにします!
実際は?
・現在住宅の支援は災害救助法で支援されている。さらに2016年度で打ち切りも決定してしまった
・実際、国が支援法の中で除染しているのはごく一部でしかない
・家族も一緒の人もいるのに、短期雇用のみの支援
・全品検査もしていなくて、福島の子どもたちは地産地消の給食を食べているのに安心安全なのか?
———————————————————————————————————–
この映像をご覧になった後、皆様それぞれがいろんな思いを抱かれると思います。
ですが、皆様一人一人が、福島のことを考えるきっかけになればと願っています。