福島民友ニュース 2015年6月27日
水産総合研究センター(横浜市)による本県産水産物中の放射性ストロンチウム濃度の調査で、ほとんどの魚から検出される放射性物質のストロンチウム90の濃度が、福島第1原発事故前と同程度とみられることが26日、分かった。同センターの担当者が同日、いわき市で開かれた県漁連組合長会議の席上、報告した。
ストロンチウムの測定には化学分離など複雑な操作が必要で、結果が出るまで約4週間を要することから、現在の食品の検査では、ストロンチウムの存在を仮定し、放射性セシウムの値からストロンチウムの濃度を算出。一般的に、食品に含まれる放射性セシウムの約1割の値でストロンチウムが含まれているとされる。
同センターなどが2011(平成23)~14年度に本県沖で実施した検査では、シロメバルから検出された1キロ当たり1.2ベクレルがストロンチウムの最大値で、セシウムの最大値は同970ベクレルだった。また、今年4月にいわき、相馬双葉両地区沖で実施したコウナゴの調査では、ストロンチウムはいずれも検出限界値未満だった。これらの結果を踏まえ、本県沖の魚に含まれるストロンチウムは、仮定されているセシウムの約1割の値を大きく下回ることが推定されるという。