核融合技術の開発に向けた初めてとなる政府戦略を策定するため30日、有識者による議論が始まりました。技術革・新政策を所管する高市経済安保相は、「研究開発にとどまることなく、商業化に向けた取り組みを加速したい」として「来年4月ごろまでに核融合開発に向けた政府戦略を策定する」考えを改めて示しました。
核融合は太陽などの星の内部で起きている反応で、二酸化炭素や高レベル放射性廃棄物を出さないクリーンなものですが、密閉容器内で原爆を破裂させて生じるような超高圧・超高温下でないと起きないとされています。
常温常圧下でも起きるという夢のような実験例も報告されているようですが、いずれも信憑性には疑問がついています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
次世代エネルギー源に核融合開発へ 政府戦略策定の議論開始
NHK NEWS WEB 2022年9月30日
次世代のエネルギー源として期待される核融合の開発に向けた、初めてとなる政府戦略を策定するため、有識者による議論が始まりました。
30日に開かれた初めての有識者会議には産業界の代表のほか、国の研究機関や大学から核融合の専門家などが参加しました。
初めにイノベーション政策を所管する高市経済安全保障担当大臣が「これまでの研究開発にとどまることなく、商業化に向けた取り組みを加速したい」と述べ、来年4月ごろまでに、核融合開発に向けた政府戦略を策定する考えを改めて示しました。
核融合は、太陽などの星の内部で起きている反応で、人工的に起こすことで膨大なエネルギーを取り出せるほか、二酸化炭素や高レベル放射性廃棄物を出さない、次世代のエネルギー源として期待されています。
これまでの研究開発では、日本やEUなどが参加する国際プロジェクト「ITER計画」で、発電をともなわない大型実験施設の建設が進められているほか、各国の政府やベンチャー企業が開発に乗り出し、競争が激しくなっています。
有識者会議は今後、
▽ITERの次の段階にあたる発電をともなう「実証炉」の建設時期の見通しや、
▽関連産業の育成、
▽推進体制などについて議論し、
年度内をめどに戦略案を取りまとめることにしています。