2022年10月14日金曜日

14- 北陸電 志賀原発 「活動性の有無」現地調査

 北陸電力が再稼働をめざしている石川県の志賀原発で13日、原子力規制委による現地調査が2日間の日程で始まりました。敷地内断層の活動性をめぐる審査は、ヤマ場を迎えています。

           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
北陸電力志賀原発 「活動性の有無」断層評価で重要局面
                          北日本放送 2022/10/13
 北陸電力が再稼働をめざしている石川県の志賀原子力発電所で13日、原子力規制委員会による現地調査が2日間の日程で始まりました。敷地内断層の活動性をめぐる審査は、ヤマ場を迎えています。
 土井あゆみ記者
 「敷地内の断層が活断層かどうかを見極める審査は、大詰めを迎えています。現地調査初日の13日は周辺にある福浦断層の活動性を調べています」
 去年11月に続き2回目となる現地調査には、石渡明委員と、事務局に当たる原子力規制庁の職員が訪れました。調査は、志賀原発2号機が、新規制基準に適合しているかどうかを判断する審査の一環で、敷地内断層に活動性があるかどうかが焦点となっています。これまでの審査会合で、重要施設の真下を走る複数の断層について活動性はないとする北電側の説明に、規制委員会は矛盾はないという見解を示す一方、不明瞭な点もあると指摘していました。
 今回の調査は、規制委員会が北陸電力に指示した追加の掘削や拡充データの内容を現地で確認するためで、敷地内の断層については活動性を判断する重要な局面となります。
 初日の13日、石渡委員らは、原発に最も近い活断層=福浦断層を訪ね、北陸電力が「南端」と位置付けた活断層が途切れるとされる場所などを確認しました。また、長さがおよそ9キロあるとみられる活断層の富来川南岸断層も訪れ、地形を確認しました。新規制基準では、原子炉の建物などの重要施設は、活断層がない地盤に設置すると定めています。
 初日の現地調査を終えて石渡委員はー。
 原子力規制委員会 石渡明委員
 「我々は重要施設の上を通っている断層について、評価・審査を行っている、一本でも活動性があればアウト、確認の結果、活動性がないことがはっきりすれば、敷地内には活動性のある断層はない、あす見てみないと分からないが、データが足りない所もあるかもしれないので、そういう点については審査会合の公開の場で、お互いに議論して決着をつけたい」
 一方、北陸電力の原子力本部副本部長である小田満広常務はー。
 北陸電力 小田満広常務(原子力本部副本部長)
「敷地内断層は活断層ではないと我々は評価しています。これまでも時間をかけて評価をしています。(原子力規制委員会の)審査会合では、かなり理解いただけたと感じています。現場でものを見てというところが重要なので、しっかり説明していきたい」
 14日の調査では、敷地内断層や福浦断層の地層の薄片試料などを確認する予定です。


志賀原発2号機 現地調査の規制委「プラスのほうへ進んできた」 原子炉直下の断層焦点
                         MRO北陸放送 2022/10/13
原子力規制委員会は、北陸電力志賀原子力発電所2号機周辺の断層の活動性を見極めるため13日、現地調査を始めました。
【写真を見る】志賀原発2号機 現地調査の規制委「プラスのほうへ進んできた」 原子炉直下の断層焦点
志賀原発での現地調査は去年11月以来2回目で、原子力規制員会の石渡明委員や、原子力規制庁の担当者13人が参加しています。初日は、原発敷地の東側を通る福浦断層などを観察しました。
調査団はトレンチと呼ばれる溝に入り、周囲の地層を確認しながら、断層の正確な位置を確かめました。福浦断層については、北陸電力もすでに活断層と評価していて、断層が原発に及ぼす影響が焦点となります。
石渡委員は「(福浦断層は)原子炉から1キロしか離れていない活断層なので、南端と北端をきちんと決めることは、今後の地震動の評価をするうえで非常に重要」と述べました。
そのうえで、14日に調査を行うS4断層について、北陸電力が提出したこれまでの資料を踏まえ「審査が始まった時点ではマイナスからの出発だったが、現在は明らかにプラスのほうに進んできた」と話しました。
調査団は14日、2号機の原子炉建屋の真下を通るS4断層が活断層かどうかを調べる予定です。
福島第1原発の事故後につくられた新規制基準では、原子炉建屋などの重要施設の下に活断層がある場合、原発の運転を認めていません。今回の調査結果を踏まえた審査会合で、敷地内の断層が活断層かどうか結論が出る見通しで、2号機の再稼働をめぐって重要な局面を迎えます。