2022年10月15日土曜日

福島・新地発電所 運転再開を10月末に前倒し 電力需要増に備え

 3月の福島県沖の地震で停止していた相馬共同火力 新地発電所1号機(出力100kw今月末、2号機(100kw)は来年1月中旬に再開予定です。新地発電所は地震により専用岸壁にある石炭陸揚げ用の揚炭機4基のうち2基が損壊しました。壊れた揚炭機は分解して撤去しますが、その工事と並行して残る2基で石炭を陸揚げし発電を再開します
 揚炭機は発電装置の心臓部ではありませんが発電所に必須の施設です。それが地震で破損したのは「基準地震動」の設定ミスということになります。3月の地震の直後、多くの発電所の停止と天候の変化が重なり、東北と首都圏の電力需給が一時逼迫しました。
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3月の地震で停止「新地発電所」10月末に運転再開 電力需要増に備え前倒し
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 3月16日の福島県沖の地震(マグニチュード7・4)で停止していた相馬共同火力発電の新地発電所1号機(福島県新地町、出力100万キロワット)が今月末、運転を再開する。冬場の電力需要増加に対応するため、当初計画より2カ月間早めた。2号機(100万キロワット)は来年1月中旬に再開予定で、厳しい電力需給が予想される東北電力、東京電力の管内へ送電する。

■巨大な揚炭機2基損壊
 新地発電所は地震で相馬港の専用岸壁にある石炭陸揚げ用の巨大な揚炭機4基のうち2基が損壊した。壊れた揚炭機は分解して撤去するが、その工事と並行して、残る2基で石炭を陸揚げし発電を再開する
 相馬共火の担当者は「冬が来るまでに何とか再開できるよう、工事に取り組んできた。最盛期の作業員は1日に千数百人に上った」と話す。震源域に近く、揺れが激しかったため被災規模も大きく、宮城、福島両県の火力発電所の中でも復旧工事に時間を要した。
 相馬共火は東北電と東電が半々ずつ出資し1981年に設立。電力は両社に半分ずつ供給している。

■5発電所の出力計1100万キロワット
 福島県内では、東北電の原町火力(南相馬市)、東電と中部電力が出資した発電会社JERA(ジェラ)の広野火力(広野町)、常磐共同火力の勿来発電所(いわき市)、石油資源開発や北海道電力などが出資する福島天然ガス発電所(新地町)も、一定の電力を首都圏に送っている。
 五つの発電所の合計出力は約1100万キロワット。福島県浜通り地方は東電福島第1原発事故後も依然として首都圏の重要な電源地帯。3月の地震の直後、多くの発電所の停止と天候の変化が重なり、東北と首都圏の電力需給が一時逼迫(ひっぱく)した