2022年10月5日水曜日

北朝鮮ミサイルの日本上空通過で原発立地福井県に緊張感

 4日早朝に北朝鮮が発射した弾道ミサイルは、津軽海峡上空辺りを通過して太平洋に着弾しました。Jアラートが誤報を出したことなどもあり、国内では福井県をはじめとして万一の際の避難についての懸念などの声が上がりました。
 かつて安倍首相が北からの攻撃を盛んに宣伝したので過剰反応とは言えないし、原発が攻撃された際の対策は何も進んでいません。
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北朝鮮ミサイル通過で原発立地福井県に緊張感…地元住民「ウクライナでは原発標的。避難もできないのでは」
                            福井新聞 2022/10/5
 もし原発が狙われたら―。北朝鮮の弾道ミサイルが青森県上空を通過した10月4日朝、福井県嶺南地域の住民らに緊張が走った。ロシアによるウクライナ侵攻で原発へのミサイル攻撃が現実となり、万一の避難を懸念する声が聞かれた
 ミサイルが発射されたのは午前7時22分ごろ。全国瞬時警報システム(Jアラート)や内閣官房の緊急情報「Em-Net(エムネット)」を通じ、福井県に情報が入ったのは同27分で、その1~2分後には既に青森県上空を通過していた。住民が避難する猶予は数分間しかない。
 美浜原発からおおむね5キロ圏内(PAZ)にある美浜町竹波の男性区長(63)は「(北朝鮮は)何をしてくるか分からない。ピンポイントで原発を狙うのは難しいだろうが、日本海に落ちても、爆発や津波があったらと思うと怖い」と表情を曇らせる。河本猛美浜町議は「ウクライナでは原発が標的になっている。同じことが起こったら、避難もできないのではないか」。高浜原発から5キロほどの距離に住む女性(82)も「またミサイルかという思い。原発近くに落ちたら、高齢だから逃げられない」と不安を口にした。

 原発の立地市町村でつくる全国原子力発電所所在市町村協議会(全原協)会長の渕上隆信敦賀市長は都内で取材に応じ「わが国上空を通過するミサイルは到底容認できず、非常に憤りを感じる。特に原子力立地地域では、非常に大きな影響がある」と指摘。自衛隊の警戒体制の強化を国に求めるとともに「避難などの対応をしっかり広報し、市民の安全安心の確保につなげたい」とした。
 福井県水産課によると、4日午前はしけの影響で沖合に出漁している船はなかったとみられる。底引き網漁シーズンでもあり、越前町漁協の小倉孝義専務は「こうした事態が続くとしたら、落ち着いて操業できない。11月からのカニ漁に影響が出ないか心配」と話し、国に毅然とした外交対応を求めた。坂井市の三国港機船底曳網漁協の事務担当者は「怖くて不気味。気をつけて漁をしてほしいと願うしかない」と不安げだった。

 福井県は4日午前9時半から、県庁で各部局の情報連絡会議を開き、県内で被害の報告がないことを確認した。県安全環境部の明田大吾危機対策監は、2017年は北朝鮮が1発目から約2週間後に同様のミサイルを発射しているとして、警戒と注意喚起を継続するよう指示した。