日本原電が敦賀原発2号機の再稼働に必要な審査を巡り、地質データを書き換えていた問題で、原子力規制委は26日、同社が適切な審査資料を作成できる体制を構築したとして、中断していた審査の再開を決めました。
事務局の原子力規制庁は、改ざんの意図は確認できなかったとした上で、適切な資料の作成体制が構築されたとする検査結果を報告し、規制委も了承しました。
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敦賀原発の審査再開へ 地質データ書き換えで中断 規制委
時事通信 2022/10/26
日本原子力発電が敦賀原発2号機(福井県)の再稼働に必要な審査を巡り、地質データを書き換えていた問題で、原子力規制委員会は26日、同社が適切な審査資料を作成できる体制を構築したとして、中断していた審査の再開を決めた。
書き換えられたのは、原発敷地内のボーリング調査で得られた地質の情報を記した「柱状図」。2020年2月の審査会合に提出された際、比較的新しい時代まで断層が動いていた可能性を示す「未固結」としていた記述が、説明がないまま「固結」に変更されるなどしていたことが分かった。
原電側は、その後判明した詳細な観察結果を記したもので、意図的な改ざんではなかったと釈明。規制委は昨年8月、資料作成に関わる同社の管理体制が改善されるまで、審査会合を開かないことにした。
26日の規制委定例会合で、事務局の原子力規制庁は、改ざんの意図は確認できなかったとした上で、適切な資料の作成体制が構築されたとする検査結果を報告した。規制委も了承し、審査の再開を決めた。
規制委の山中伸介委員長は同日の記者会見で、「資料作成プロセスに不備があったのが根本原因。そこが改善され、審査再開の方向性になった」と説明。「同じような不備がまた出れば、もう一度審査の中止もあり得る」とくぎを刺した。
日本原電の話 規制活動に多大な影響を及ぼしたことをおわび申し上げる。引き続き、審査資料の信頼性を確保するとともに、検査および審査に真摯(しんし)に対応していく。
社長ら役員報酬の一部を自主返納 日本原電(福井県)
FBC 福井放送 2022/10/28
敦賀原発2号機の再稼働に向けた安全審査の材料となる地質データを改ざんしていた問題に関連し、日本原電は28日、原子力規制委員会の活動に多大な影響を及ぼしたとして、村松衛社長と担当部門を所掌する剱田裕史副社長がそれぞれ、11月分の役員報酬の30%を自主返上すると発表した。(10月28日)
原子力規制委員会は原因究明と再発防止策が確認できるまでとして、審査を中断していたが、10月26日に「社内体制が整った」として、審査を再開することを決めている。
日本原電は「審査資料の信頼性を確保するとともに、継続的な改善を行い、原子力規制検査および審査に真摯に対応していく」とコメントしている。