2022年10月15日土曜日

原発の新設や延長に異議 経産省審議会 松久保委員が表明

 岸田首相が検討の加速を指示した原発の再稼働や原発の運転期間の延長、次世代革新炉の開発・建設などについて議論している経産省の審議会が13日開かれ委員で原子力資料情報室の松久保肇事務局長は次のように批判しました。

老朽原発運転延長『安全性が最優先』という原則に反する
原発の新は気候危機対策にならないし電力需対策にも間に合わな
新軽水炉の機能は海外では多くの原発で導入済みで、それを『次世代』や『革新軽水
 炉』などと宣伝するのはごまかしである
・海外において次世代軽水炉が計画通りのコストや工期で建設されたもの非常に少な
 し、温室効果ガス削減に殆ど寄与しない
原発への攻撃の危険に対処できないなら原発を断念することも選択肢として考えるべき
 いちいち尤もな指摘で、省庁の組織した委員会でこうした正論が出されるのは稀有なことです。因みに「原子力資料情報室」のホームページには貴重な記事が載っています。
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原発新設延長に異議 経産省審議会委員が表明
                       しんぶん赤旗 2022年10月14日
 原発の再稼働や原発の運転期間の延長、次世代革新炉の開発・建設など岸田首相が検討の加速を指示した原発推進方針について議論している経済産業省の審議会が13日、開かれました。
 議題として3氏が脱明。うち審議会の委員で原子力資料情報室の松久保肇事務局長は、方針にかかわる新設・既設原発の問題点を説明し、老朽原発をさらに使おうとする運転延長について「『安全性が最優先』という原則に反する」と述べ、設する原発は「気候危機対策にも電力需対策にも間に合わな」と指摘しました。
 松久保氏は、「次世代革新炉」のうち「革新軽水炉の機能がすでに多くの原発が導入済みだとして「国際的に通用しない『革新軽水炉』なる国内向け宣伝文句でごまかすのは、やめるべきだ」と指摘。計画から運転開始までに時間がかかり、近年の世界の次世代軽水炉が計画通りのコストや工期で建設されたものが非常に少ないとして、温室効果ガス削減の即効性ある対応が求められているなかで「長時間を要する原発にかけている余裕はない」と述べました。
 また、原発への攻撃可能性が顕在化したとして、この危険に対処できないなら「原子力を使うことを断念することも選択肢として考えるべきだ」と強調しました。
 この日は他に電気事業連合会の原子力開発対策委員長、産業界の自主規制組織・原子力安全推進協会の理事長が説明しました。