岸田首相は8月、既存原発の再稼働を加速させ、運転期間延長や次世代炉の開発・建設も検討すると表明し、関係省庁が年末までに具体論をまとめる作業をしています。
そんな中、福島第1原発事故後に民主党政権で原発事故担当相などを務めた細野豪志氏(自民、衆院静岡5区)が29日までに静岡新聞社の取材に応じ、政府の原発を最大限活用する方針について「エネルギー危機に向き合う中で、適切な判断」と支持する考えを示しました。
浜岡原発に関して11年当時、菅直人首相により全炉の停止要請が出された最大の理由は同原発が予想地震帯の震央地に立っているからとされました。
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細野豪志元担当相 「原発の最大限活用」支持 浜岡津波対策「格段に進歩」
静岡新聞 2022/10/30
2011年の東京電力福島第1原発事故後に民主党政権で原発事故担当相などを務め、原発の規制改革に携わった細野豪志氏(自民、衆院静岡5区)が29日までに、静岡新聞社の取材に応じた。政府が今夏に打ち出した原発を最大限活用する方針について「エネルギー危機に向き合う中で、適切な判断」と支持する考えを示した。
「事故から11年が過ぎ、原子力規制委員会は発足から丸10年となった。原子力の在り方をどう考えるか、検討する一つの節目に来ている」とも語った。
岸田文雄首相は8月、エネルギー危機克服と脱炭素両立の観点から、既存原発の再稼働を加速させ、運転期間延長や次世代炉の開発・建設も検討すると表明。関係省庁が年末までに具体論をまとめる作業をしている。
細野氏は担当相在任時に「原則40年、最長60年」となっている現行の運転期間のルールを導入した。福島第1原発と同時期に設計された1970年代前半の原発に関し「リスクが非常に高いと見ていた。確実に廃炉にしたいという思いがあった」と振り返った。
実際にこれらの廃炉が進んだことで、現行ルールは一定の役割を果たしたとの認識を示した。今後は「年限を区切るのではなく、ある程度の年数がたった原発は常に厳格にチェックしていく方が、安全性が向上するのではないか」と述べた。
既存原発の再稼働や次世代炉の開発は、原子力分野の技術維持、人材確保などの面からも必要性を指摘した。
中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)に関しては、11年当時の菅直人首相による全炉停止要請の最大の理由を「津波リスクだった」と説明。先日、約11年ぶりに現地を視察したと明らかにした上で「津波対策は格段に進歩した」と評価した。
浜岡原発の再稼働を巡っては「規制委員会による審査を着実に進めていく段階」とするにとどめた。一方、政府の要請で停止した特殊事情を踏まえ「審査(の合格)がある程度見えてきた時点で、政府としていろいろな判断をしていくべき。地元自治体とのコミュニケーションも必要になる」と強調した。 (東京支社・関本豪)