2016年8月8日月曜日

08- 泊原発 2次冷却水の放射能含有 北電が誤った説明

 これまで加圧水型の原発、原子炉内の超高温の液体(=1次冷却水)を蒸気発生器に通して約270℃(タービン入口)・55~60気圧ほどの過熱蒸気に変えて発電用タービンを回すので、2次系(蒸気発生器以降)には放射能は全く含まれないと説明されてきました。
 北電、今年4月から泊原発の周辺自治体で行っている安全対策の説明会で「原発の2次冷却水に放射性物質は含まれない」と説明してきました。しかし実際には1次冷却水に含まれる放射性トリチウム金属配管を透過して2次冷却水に僅かに漏出するので微量の放射能が含まれます
 
 北海道新聞がそれを指摘したところ北電はホームページ上の説明を修正しました。
 北電は4月から8年ぶりに周辺自治体への説明会を再開し、既に61回の説明を行っています。北電は「放射性物質が一切含まれないという誤解を招きかねない表現だった」と述べていますが、説明会のやり直しは行わないとしています。
 地元の首長たちからは「信頼が揺らぐ」という声も上がっています。 
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北電が泊原発資料修正 地元首長「信頼揺らぐ」と批判の声
北海道新聞 2016年8月6日
 北海道電力が4月から後志管内で行っている泊原発(後志管内泊村)に関する地域説明会で「原発の2次冷却水には放射性物質が一切含まれない」と事実と異なる説明をしていたことが分かり、北電は5日から説明会の資料や説明内容の修正を始めた。後志管内の首長からは「説明の信頼が揺らぐ」との批判の声が出ている。
 北電によると、地域説明会の資料に、泊原発が採用する加圧水型軽水炉について「タービンを回すために使う2次冷却水や蒸気に放射性物質を含みません」などと記載し、口頭でも同様の説明をしていた。
 
 しかし、1次冷却水に含まれるトリチウムは金属配管を透過して、2次冷却水に漏れ出している。北海道新聞が「事実と違う」と指摘したところ、内容の修正を決めた。北電は「資料は沸騰水型原発との構造の違いの説明を主眼にしたもの。故意に誤った説明をした訳ではないが、誤解を招く表現なので修正した」としている。
 北電は5日夜の留寿都村での説明会では「(2次冷却水には)蒸気発生器の伝熱管を透過したトリチウムが含まれている」と説明を変え、修正した資料を配った。誤った内容による説明会は18市町村で計61回行われたが、「説明会のやり直しはしない」という。
 
 これに対し、泊村の牧野浩臣村長は「当初の説明内容が軽率だった。説明会をやり直す必要はないが、機会を見て住民への説明責任をしっかり果たしてほしい」と指摘。仁木町の佐藤聖一郎町長は「(トリチウムが)入っていないと説明したのに、入っていたとなると不信感が募るだけ。北電は悪いことも含め事実をしっかり伝えてほしい」と話している。