伊方原発3号機の再稼働を前に、大分合同新聞社が大分県内の全18市町村長にアンケートを実施した結果は、「反対」または「どちらかといえば反対」が6人、「どちらかといえば賛成」が2人で、残る10人は「どちらともいえない」でした。
大分県には原発はありませんが、豊後水道を介して伊方原発までの至近点は50キロを切る位置関係にあります。
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再稼働6人が「反対」 県内18市町村長アンケート 伊方原発
大分合同ニュース 2016年8月11日
四国電力が12日に予定している伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の再稼働を前に、大分合同新聞社は大分県内の全18市町村長にアンケートを実施した。6人が再稼働に「反対」または「どちらかといえば反対」と回答し、「活断層が近くにあり、地震の影響をもろに受ける可能性がある」「想定外の事故は起こり得る」などを理由に挙げた。2人が「どちらかといえば賛成」と答え、「現在のエネルギー事情などを考えればやむを得ない」とした。残る10人は「どちらともいえない」だった。
再稼働に「反対」としたのは竹田、豊後大野、由布、九重、玖珠の5市町長。日田市長は「どちらかといえば反対」とした。
竹田市長は「熊本・大分地震の震源地が熊本から大分へと移動しており、(伊方近くの)断層に影響を与える危険性が高まっている。再稼働は時期尚早。事故が発生すれば放射能汚染による大分県内の観光・農林水産業に与える実害や風評被害は計り知れない」と指摘する。
豊後大野市長も「原子力規制委員会や愛媛県が定めた厳しい基準をクリアしたとしても、自然を相手にする以上、想定外の事故が起こり得ることは東日本大震災や熊本の地震から学んでいる」とした。
「どちらかといえば賛成」は中津、姫島の2市村長。中津市長は「再稼働は安全性の確保と地元の理解を得た上で国の責任において判断したものと考えている。将来的には原子力に依存しないエネルギーの供給体制の構築が望ましいが、現状では地球規模での環境問題や日本のエネルギー事情から、一定程度を原子力に依存せざるを得ないのが実情」との見解を示した。
姫島村長は「原発はできるだけ早くなくすべきだと考えるが、現在のエネルギー政策などを踏まえればやむを得ない。ただ、絶対事故が起きないことが当然の条件だ」と答えた。
大分、別府、佐伯、臼杵、津久見、豊後高田、杵築、宇佐、国東、日出の10市町長は「どちらともいえない」と回答。「国が責任を持って適切に対応すべき政策だ」「安全性について専門家でも意見が分かれている」などが理由だった。
アンケートは7月中旬から下旬にかけ、書面や聞き取りで実施した。
再稼働見通しあす朝9時前後
四国電力は10日、伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の再稼働は、今後の作業が順調に進めば12日の午前8時40分~午前9時20分ごろと明らかにした。15日に発電と送電を始める予定で、9月上旬の営業運転を目指す。
10日は原子炉内の核分裂を抑える制御棒が正常に作動するか確認し、問題はなく、再稼働前の全ての検査が完了した。11日も準備作業を進める。