2016年8月1日月曜日

核の悲劇 次世代に渡せぬ 原爆投下71年 伊方原発

 広島と長崎に原爆が投下されてから8月で71年になりますが、大分合同新聞が広島県の被爆者たちが今年、瀬戸内海を挟んだ愛媛県伊方原発の運転差し止めを求める訴訟と仮処分の申し立てを広島地裁に起こしたことを伝えました。大分県でも豊後水道を挟んだ伊方原発の運転差し止め訴訟を起こしています。
 同原発で重大事故が起きれば広島も大分も「被害だけ地元(交付金等はない)」になり、生活基盤の破壊などで人格権を侵害される危険があると主張しています
 被爆者たちは「核の恐ろしさを体験した者として、原発は次の世代に渡せない」と訴えています
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核、次世代に渡せぬ 原爆投下71年 伊方原発 
大分合同新聞 2016年7月31日
 【大分合同・愛媛伊方特別支局】 広島と長崎に原爆が投下されてから、8月で71年になる。広島では今年、被爆者たちが瀬戸内海を挟んだ四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)の運転差し止めを求める訴訟を広島地裁に起こし、仮処分も申し立てた。同原発で重大事故が起きれば広島も「被害だけ地元」になり、生活基盤の破壊などで人格権を侵害される危険があると主張している。被爆者たちは「核の恐ろしさを体験した者として、原発は次の世代に渡せない」と訴える。
 
 広島県は中国電力の営業エリアだが、広島市から最も近い原発は同社の島根原発(島根県)ではなく、対岸の伊方原発。その関係は、一番近い原発が九州電力の玄海原発(佐賀県)でも川内原発(鹿児島県)でもなく、佐賀関半島から45キロの伊方原発―という大分県と共通している。
 提訴は東日本大震災から5年となった3月11日付。原告は広島など9都府県の男女67人。うち広島原爆の被爆者が16人、長崎原爆の被爆者も2人参加し、伊方1~3号機の差し止めを求めた。一部の原告は、8月11日にも動きだす見込みの伊方3号機の再稼働禁止を求める仮処分も申し立てた。8月3日には約70人が追加提訴する予定だ。
 市民団体「広島市民の生存権を守るために伊方原発に反対する1万人委員会」が昨年11月に提訴方針を決定したのが始まり。原告を募ったところ、賛同する被爆者らが集まった。伊方原発近くの海域には国内最大級の活断層「中央構造線断層帯」が走っており、地震の危険性などを主張している。一方、四国電は「安全性は十分確保されている」などと全面的に争う構えを見せている。
 伊方原発を巡っては、松山地裁でも差し止め訴訟が起き、仮処分も申し立てられている。大分地裁でも大分県内の住民4人が仮処分を申し立て、8月をめどに訴訟も起こす方針。