福島原発の免震重要棟前で熱中症対策のため噴霧していた水により、そこでバスを待っていた10人が頭や顔面に被曝しました。被曝量は最大1平方センチメートルあたり19ベクレルでした。
この水は5、6号棟のトイレや手洗いなどで使われていましたが、顔面の被曝量を測るときには既に水分は拭われたりしていたでしょうから、かなり汚染された水と思われます。
国の管理基準は1平方センチメートルあたり40ベクレルで、1平方メートルに換算すれば40万ベクレルとなる大きな値です。
福島第1原発では、大熊町と富岡町にまたがる坂下ダムから引いた水を所内の浄水場でろ過して使っていました。
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福島第一原発 熱中症対策の霧水で汚染か
NHK NEWS WEB 2013年8月12日
福島第一原子力発電所で、12日、作業員10人が、頭や顔を中心に放射性物質で汚染されていたことが分かり、東京電力は、熱中症対策として設置している装置の霧状の水が、原因の可能性があるとみて調べています。
12日午後0時40分ごろ、東京電力の男性作業員10人が、敷地を出るときに、放射性物質による汚染を調べる検査を受けたところ、頭や顔を中心に汚染されていたことが分かりました。
汚染は、1平方センチメートル当たり最大で19ベクレルと、社内の規定する値のおよそ5倍ですが、作業員の体調などに変化はなく内部被ばくもないということです。
10人は、検査を受ける前に、福島第一原発の作業の拠点になっている免震重要棟の前でバスを待っていて、免震重要棟の付近では、熱中症対策として、装置で霧状の水を発生させていたということです。
また同じ頃に、免震重要棟の前にある空気中の放射性物質を測定する機器で警報がなったほか、10人はいずれも屋内で作業をしていたということです。
東京電力は、霧状の水の供給元になっている浄水場の水を調べ、放射性物質は検出されませんでしたが、装置の霧状の水が、原因の可能性があるとみて調べています。