2013年8月29日木曜日

チャチなベント・フィルターでいいのか 柏崎刈羽原発

 26日、27日の二日間、新規制基準に基づいて柏崎刈羽原発に新設されるベント・フィルター過酷事故時に原子炉容器内⇒格納容器内の蒸気を放出する際のろ過器。=フィルター付きベント)について、東電による住民説明会が行われました。
 フィルターの性能が、粒子状の放射性セシウムは99.9%以上除去できるものの放射性希ガスは除去できないことから、「一時的な待避が必要」になるという説明に、フィルターの性能は十分なのか」などと不安視する声が相次いだということです

 これまで 原発メーカーは、ベント・フィルターを通すことで大気中に放出される放射能は1万分の1以下になると宣伝していましたが、今回の説明では大いに異なります。チャチな簡易型を選定した可能性があります
 原子炉容器内⇒格納容器内の蒸気中に含有される放射性物質は大部分が希ガス状なのではないでしょうか。その「京ベクレル」単位の放射能のうちから、僅かに粒子状の放射性セシウムのみを99.9%除去する程度のろ過器ではとても安心できません。
 もしもその程度の性能でOKになるものであるならば、規制基準自体が極めて不十分なものということになります。

 それに加えて、格納容器とフィルターを結ぶ長距離排気配管が軟弱な地盤上を走ることになるので、それが肝心な地震時に破損する惧れはないのでしょうか。泉田知事が非常に懸念していることです。

 新潟日報の記事を紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
柏崎刈羽で原発住民説明会 フィルター付きベントに不安相次ぐ
新潟日報 2013年8月28日
 東京電力が原発の新規制基準に基づく安全審査申請を目指している柏崎刈羽原発6、7号機について、東電が立地地域で開いた住民説明会が27日、2日間の日程を終えた。過酷事故時に放射性物質を含んだ格納容器内の蒸気を放出するフィルター付きベントについて、住民からは「性能は十分なのか」などと不安視する声が相次いだ。
 フィルター付きベントは新基準で設置を義務付けられ、申請の前提となる設備だが、住民の不安は根強いことが浮き彫りになった形だ。
 26日の柏崎市、27日に刈羽村で開かれた説明会には合わせて約200人が参加。東電は、フィルター付きベントの役割を炉心損傷の防止と敷地外の土壌汚染を減らすためと解説。粒子状の放射性セシウムは99・9%以上除去できるが、放射性希ガスは除去できないことから「一時的な待避が必要」と述べた。
 刈羽村の住民から「希ガスが取れないのに安全なのか」との声が上ったのに対し、川村慎一・原子力設備管理部長は「(蒸気を)放出する際に近くにいると危険で、決して安全とは言えない」とし、住民避難のため自治体と情報共有を進める考えを示した。
 住民からは「避難計画を自治体任せにしていいのか」「高齢者もいるのに本当に逃げられるのか」との意見が出た。
 こうした声が上がっていることについて、原子力規制庁の地元事務所の内藤浩行所長は27日の記者懇談会で、フィルター付きベントの運用に際し「防災計画や住民避難は自治体が中心になって考える問題なので、設備について東電はしっかり説明してほしい」と注文した。