原発から出る低レベル放射性廃棄物の放射線量を測定する日立GEニュークリア・エナジー製の検査装置にプログラムミスがあったため、これまで原燃の埋設センター(青森県六ケ所村)に受け入れたドラム缶2万2400体のうち19%に当たる4272体の放射線データが誤っている可能性があることが分かりました。
計測ミスがあった廃棄元の原発4社が、当時測定したドラム缶の表面線量の記録から放射能を計算し直したところ、いずれも管理基準を下回っていたということです。
結果的に実害がなかったとはいえお粗末な話です。
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埋設廃棄物で放射能計測ミス 4300本 影響なし 日本原燃
時事通信 2017年08月07日
日本原燃は7日、原発から出る低レベル放射性廃棄物を受け入れる同社の埋設センター(青森県六ケ所村)に運び込まれた廃棄物のうち、電力4社からのドラム缶約4300本について、搬出時の放射能計測が誤っていた可能性があると発表した。4社が計算し直した結果、いずれも放射能は規定より低く、周辺環境に影響はないとしている。
原燃などによると、計測ミスがあったのは中国電力島根原発(松江市)、四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)、北陸電力志賀原発(石川県志賀町)、日本原子力発電敦賀原発(福井県敦賀市)の4原発から出た低レベル放射性廃棄物。
廃液や使用済み配管などが入ったドラム缶で、いずれも搬出前に日立GEニュークリア・エナジー製の検査装置で測定した表面の放射線量から放射能を計算。基準を下回ったとして搬出された。
ところが、計測プログラムに欠陥があり、まれにデータの一部が欠落することが判明。2000年以降に計測し、埋設センターに搬出された4社計2万2400本のドラム缶のうち、4272本はデータが誤っている可能性があることが分かった。島根原発が最も多く、3448本を占めた。
4社は当時測定したドラム缶の表面線量の記録から放射能を計算し直し、いずれも管理基準を下回っていることを確認したと説明している。
北陸電力「基準満たしていることを確認」
志賀原発の放射能計算機プログラムに不具合
Logistics Today 2017年8月7日
北陸電力は7日、志賀原子力発電所で使用している低レベル放射性廃棄物の放射能計算機でプログラムの不具合が見つかり、「極まれな頻度」ながら低レベル放射性廃棄物ドラム缶の放射能量を正確に測定・記録できない可能性があることが判明した、と発表した。
現時点でデータの確認ができていないドラム缶について、日本原燃の埋設事業変更許可申請時に設けられている低レベル放射性廃棄物ドラム缶の最大放射能濃度を同社が試算した結果、この埋設基準は満たすことを「確認した」としている。
同社はこれまで3840本の低レベル放射性廃棄物ドラム缶を日本原燃六ケ所低レベル放射性廃棄物埋設センターへ輸送し、埋設処分しているが、ドラム缶は埋設センターに輸送する前に1本ずつ測定装置で自動測定・記録を行い、放射能量を確認している。
8月4日、測定装置メーカーから測定したデータの一部データが正しく記録されない事象が「極まれに発生する可能性がある」との連絡を受け、自社が保有するデータを調査した結果、「3836本は、適切に放射能量が測定されている」ことを確認。データの確認ができていない4本についてもドラム缶の表面線量率から放射能量を「保守的に試算」した結果、埋設基準を満たしていた、としている。