続けるしかない!~255回目の「反原発」金曜行動レポート
木下昌明 レイバーネット 2017年8月19日
8月18日金曜日、官邸前・国会前の反原発抗議行動の日。この日、東京は夕方から雷雨を伴った雨の予報が出ていた。ネットで調べるとすでに千代田区では雨が降っているではないか。空を見上げると晴れ間が見える。さては気象庁までもデモの妨害か?
しかし、それにもかかわらず官邸前にはいつもの顔ぶれが目についた。がんで松葉杖をついている人も、雨がふっている平塚方面の人も、90歳になろうという女性も遠くから電車を乗りついできていた。川柳の乱鬼龍氏は今夜は「原発の底なし沼にそそぐカネ」という句を掲げて、ぐるぐる歩きまわっていた。
国会前でもいろんな人がスピーチしていた。そのなかで「8月14日『東京新聞』の朝刊一面にでかでかと書いてあった“廃炉に税金1000億円超”は間違っている。“2200億円が正しい”」と指摘する人もいた。
希望のエリアでは、歌や楽器演奏が目についた。経産省前では人々にジュースを配っていた。集会も今回で金曜日だけで255回を数える。
その夜、安倍首相は永田町のホテルキャピトルの料理に舌つづみをうっていた。原発は現在5基が稼働しているが、年内にあと2基が稼働するという。北朝鮮のミサイル危機をあおっていながら、原発に当てないと北との確約ができているのか、放置したままである。
満員の地下鉄に乗ると会社帰りの人々がいっせいにスマホとにらめっこしている。シーンと静か。
*『原発の町を追われて』の傑作をつくり続けているドキュメンタリー作家・堀切さとみさんから拙著『ペンとカメラ』の感想が寄せられた。そこにわたしがなぜ金曜日の官邸前に参加し続けているのか、その理由も追究されていて教わった。とても共感できた。ぜひ一読してほしい。 → 堀切さんの感想