福島第1原発で2日、1~4号機の建屋周辺の井戸「サブドレン」1カ所の水位が急激に2m低下し警報が出ましたが、25分後に水位は復帰しました。
東電は当初水位計の故障と誤認したため規制委への報告が事故後20時間経過してからになったことに対し、更田委員長代理は4日、「通報が遅れたのは大変遺憾だ。起きたことを速やかに情報発信する姿勢が大事だ」と述べました。
建屋周辺の地下水位の低下が重大問題とされるのは、建屋内の水位よりも低くなると建屋内の濃厚な汚染水が建屋外の地下水中に流出するためです
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<福島第1>サブドレン水位低下 規制委「通報遅れ遺憾」
河北新報 2017年8月5日
原子力規制委員会の更田豊志委員長代理は4日、東京電力福島第1原発を視察した。1~4号機建屋周辺の井戸「サブドレン」1カ所の水位が急激に低下したことに関し、「直ちに周囲へ甚大な影響を与える状況ではないが、通報が遅れたのは大変遺憾だ」と述べた。
基準値を下回る水位の低下は2日夕に発生。東電は当初、水位計の故障が原因と誤認し、規制委への報告は事象発生から約20時間後になった。更田氏は「東電の信頼に関わることだ。起きたことを速やかに情報発信する姿勢が大事だ」と指摘した。
汚染水対策の一環として、建屋周囲の地盤を凍らせる「凍土遮水壁」の完全凍結開始に関しては「(今月の)お盆ころには認可が出せるだろう」との見通しを示した。
<福島第1>サブドレンの水位一時低下 故障と判断し発表遅れ
河北新報 2017年8月4日
東京電力は3日、福島第1原発1~4号機の建屋周辺の井戸「サブドレン」1カ所の水位が急激に低下したと発表した。建屋内にためている汚染水の水位より一時低くなったが、汚染水が建屋外に漏れ出すことはなかったという。
東電によると、2日午後6時半ごろ、4号機周辺の1カ所で水位低下を知らせる警報が発生。汚染水漏えい防止のための基準値を約2メートル下回った。約25分後に基準値に回復した。
当時、井戸周辺の地下で掘削工事をしていたが、因果関係は不明。隣接する井戸の水位に変化はなかった。東電は「当初は水位計の故障だと判断し、発表するのが遅れた」と説明した。