東電は福島原発1~4号機建屋の周辺に構築した「凍土壁」のうち、これまで凍結させなかった7mの区間の凍結を22日から開始します。
東電は21日の記者会見で「地下水の流れが凍っていない場所に集中しているので、これまでより凍りにくい可能性が高いと見ている」と予防線を張っていますが、全面が完全に凍結するのかは大いに疑問視されます。
当面は経過を見守るしかありませんが、このことは最初から分かっていたことなので、「結局だめでした」では済まされないことです。
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福島第一原発「凍土壁」最後の部分 あす凍結開始
NHK NEWS WEB 2017年8月21日
東京電力福島第一原子力発電所の汚染水対策の柱で、建屋の周囲の地盤を凍らせて地下水の流入を防ぐ「凍土壁」について、東京電力は22日、安全のため凍らせずに残していた最後の部分の凍結を始めます。凍土壁は凍結の開始から1年5か月たってようやく完成に向かいます。
福島第一原発の「凍土壁」は、建屋の周りに埋めたパイプに氷点下30度の液体を流して長さおよそ1.5キロの氷の壁を作る計画で、周辺の地下水が建屋に流入し放射性物質で汚染された水が増加するのを防ぎます。
ただすべての部分を凍らせると、建屋の周囲の地下水の水位が急激に下がり汚染水が漏れ出すおそれがあったため、山側の幅7メートルの場所は凍らせずに残されていました。
これについて原子力規制委員会は今月15日、安全対策は整ったとして残された場所の凍結を認可し、東京電力は22日、作業を始めることにしています。
去年3月に凍結が始められた凍土壁は1年5か月たってようやく完成に向かいます。
東京電力は21日午前の記者会見で「地下水の流れが凍っていない場所に集中しているので、これまでより凍りにくい可能性が高いと見ている。凍結の状況を慎重に見極めたい」と話しました。
東京電力は凍土壁が完成すれば建屋に流れ込んでいる1日およそ140トンの地下水を100トン以下まで減らせるとしていて、原子力規制委員会は完成後の効果を慎重に見極めることにしています。
東京電力「最後の凍土壁 凍りにくい可能性」
東京電力は21日午前、福島市で開いた定例の会見で、凍土壁の最後の凍結を始めることについて「地下水の流れが凍っていない1か所に集中しているので、これまでと比べて凍りにくい可能性が高いと見ている。凍結の状況を見極めながら、しっかりと最後の凍結を進めたい」と話していました。