福島原発事故で津波による行方不明者の捜索が遅れ、精神的苦痛を受けたとして、南相馬市の遺族会が東電に慰謝料を求めた裁判外紛争解決手続き(ADR)で、東電が慰謝料を支払うことで和解が成立しました。
和解したのは235人で慰謝料の総額は約1億4000万円です。申し立てた278人のうち残りの43人は現在手続き中で、同様に和解が成立する見込みだということです。
総額は一見大きそうに見えますが、遺族1人当たり1親等に60万円、2親等に40万円、これ以外の同居家族に20万円、遺族が複数いても故人1人当たりの上限は300万円などのちまちましたもので、遺族会の会長は「残された遺族は捜索できなかった苦しみを一生引きずっていかねばならず、慰謝料は微々たる金額」と話しました。
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福島民友ニュース 2015年2月1日
東京電力福島第1原発事故で津波による行方不明者の捜索が遅れ、精神的苦痛を受けたとして、南相馬市小高区の津波犠牲者遺族でつくる遺族会が東電に慰謝料を求めた裁判外紛争解決手続き(ADR)で、東電が慰謝料を支払うことで和解が成立したことが31日、遺族会への取材で分かった。和解総額は約1億4000万円。
遺族会によると、和解が成立したのは、申し立てた278人のうち、235人。和解成立は14日付。残りの申立者は現在手続き中で、同様に和解が成立する見込みだという。
和解内容は東電が慰謝料として遺族1人当たり親子、配偶者ら1親等に60万円、祖父母と孫ら2親等に40万円、これ以外の同居家族に20万円を支払う。遺族が複数いても故人1人当たりの上限は300万円。
浪江町遺族会が2013(平成25)年10月に同様の内容で和解成立したことから、同市小高区遺族会が昨年3月、原子力損害賠償紛争解決センターに申し立てた。
宮口公一会長(57)は「請求は認められたが東電からの謝罪がないのは残念。残された遺族は捜索できなかった苦しみを一生引きずっていかねばならず、慰謝料は微々たる金額」と話した。