2015年2月27日金曜日

東電が「就労不能損害」を再考して認める 「そうま農協」

 原発事故の影響で仕事の収入を失う「就労不能損害」の賠償をめぐるADRで、東電側が、賠償の対象外としていた「そうま農協」(福島県南相馬市)の従業員計79人に対し、計約2723万円を支払う和解が成立していました。
 
 東電は、79人については避難指示などが出ていない自治体に居住や勤務しているとして賠償の支払いを拒否していましたが、最終的に「原発事故の影響を大きく受けた農協に勤務していた」ということを認めたものです。
 この件に関して東電の機械的・事務的な拒否の態度が改められたのは何よりのことです。
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原発事故「就労不能損害」 賠償対象外に支払い
東京新聞 2015年2月26日
 東京電力福島第一原発事故の影響で仕事の収入を失う「就労不能損害」の賠償をめぐる裁判外紛争解決手続き(ADR)で、東電側が、賠償の対象外としていた「そうま農協」(福島県南相馬市)の従業員計七十九人に対し、計約二千七百二十三万円を支払うことで和解が成立していたことが同農協への取材で分かった。
 
 そうま農協によると、原発事故に伴い業績が悪化しボーナスが減額されたとして、当時の全従業員四百五人が東電に賠償を請求。しかし東電は、七十九人については、避難指示などが出ていない自治体に居住や勤務しているとして賠償の支払いを拒否した。
 七十九人はこれを不服として二〇一三年十一月にADRを申し立てた。昨年十二月、東電に賠償を支払うよう求める和解案が示され、東電は「原発事故の影響を大きく受けた農協に勤務していたという特殊事情を考慮したものと理解する」として、今月十日付で和解が成立したという。
 七十九人以外に対しては既に賠償を支払った。