福島原発事故に伴い発生した放射性物質を含んだ横浜市の下水汚泥焼却灰について、市は5日から、南本牧廃棄物最終処分場に試験埋立処分を始めました。
放射性物質濃度が比較的低い焼却灰を一般廃棄物の焼却灰と混ぜ、濃度を1kgあたり100ベクレルまで下げて埋め立てるもので、処分に反対していた地元住民や港湾業界の理解を得ました。
埋め立ては陸地部分に行い、周辺の空間放射線量などの異常がなければ、昨年4月以降の保管分約4千4百トンを順次減らしていくということです。
日本ではがれきの処理もこのように一般廃棄物と混ぜて見かけの放射線レベルを100ベクレル/kgにすることで処分を進めています。
しかし必要な倍率で希釈すればどんな放射性物質でも、必ず基準値を下回らせることが出来るわけで、これは「放射能の希釈政策の禁止」の国際合意に反するものです。
ドイツ放射線防護協会会長は2011年11月27日に、日本に対して要旨次のように警告しています。
「日本の官庁は、「放射能汚染されたものを、汚染されていないものと混ぜて見かけの濃度を下げて『安全である』としてはならない」という国際的な合意に反している。
現状のままでは日本の全国民が放射能汚染に晒される。
ガレキは、きちんと作られた監視付の廃棄物置場で保管されないといけない。
日本の科学者たちが、日本の国民の側に立つことを懇望する。」
新潟県の泉田知事もこの観点から上下水道汚泥の希釈処分に応じないでいます。
(関係記事)
2012年12月13日 各地で汚染がれきを処分するのは放射能管理の原則に反する
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横浜市、南本牧で埋め立て 放射性汚泥 試験処分始まる
東京新聞 2015年2月11日
東京電力福島第一原発事故に伴い発生した放射性物質を帯びた横浜市の下水汚泥焼却灰について、市は今月五日から、南本牧廃棄物最終処分場(中区)に試験埋め立て処分を始めた。本年度内は安全性確認を主眼としており、新年度から本格的に埋め立てる方針。 (原昌志)
汚泥焼却灰は市内二カ所の汚泥資源化センターで保管されていたが、保管場所がほぼ満杯になっていた。市は放射性物質濃度が比較的低い焼却灰を一般廃棄物の焼却灰と混ぜ、濃度を一キログラムあたり一〇〇ベクレルまで下げて埋め立てることで、処分に反対していた地元住民や港湾業界の理解を得た。
埋め立ては海面ではなく陸地部分に行い、本年度内は汚泥焼却灰百二十トン程度を搬入する予定。周辺の空間放射線量などの異常がなければ、昨年四月以降の保管分約四千四百トンを順次減らしていく。ただ、昨年三月以前に発生した三万二千六百トンはやや濃度が高いものが含まれるため、当面保管を続ける。
市によると五日の測定では、埋め立て時の現場と、現場から約二キロ離れた地点の空間放射線量は、ともに毎時〇・〇五マイクロシーベルト(高さ一メートル)程度だった。市の除染基準(目安)は同〇・二三マイクロシーベルト。