新潟県の泉田知事は原発の再稼動問題で、「福島原発の総括がキチンとなされなければ柏崎刈羽原発の再稼動の議論は始まらない」で一貫していて、筋を通していることで知られています。
それは別に脱原発団体の要請ではなくて、知事自身の考えで行っていることです。
他の県で、脱原発団体との会談を拒否しない知事たちが現れはじめました。
一人は滋賀県の嘉田前知事の卒原発の主張を引き継いで当選した三日月大造知事で、2日、脱原発を目指す市民の3団体のメンバーが滋賀県庁を訪れて、原発の再稼働を行わず、再生自然エネルギーへの切り替えを進めることを国、電力事業者へ要求することを求めた要望書を提出しました。
もう一人は、先の佐賀県知事選で自・公が推した候補に圧勝した山口祥義知事で、5日の定例記者会見で、反原発の市民団体が知事に直接対話の場を設けるよう求めていることに対して、「会う機会を設けていきたい」と述べました。
同知事は選挙戦を通じ原発再稼働を容認する方向性を示していますが、会見では「絶対だめだという皆さん方ともぜひ会う機会を設けていきたい」と対話路線を強調しました。
二つの新聞記事を紹介します。
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高浜原発の再稼働反対を!
滋賀報知新聞 2015年2月5日
市民団体が知事へ要望書
関西電力の高浜原発三、四号機(福井県)の再稼働手続きが進められる中、市民団体「さいなら原発・びわこネットワーク」と「彦根・愛知・犬上 原発のない社会をつくる会」、「脱原発をめざす市民の会」のメンバーは二日県庁を訪れ、原発の再稼働を行わず、再生自然エネルギーへの切り替えを進めることを国、電力事業者へ要求することを求めた、三日月大造知事宛ての要望書を提出した。
要望書では、「原子力規制委員会が審査書案を正式決定すれば、私たちの懸念する避難計画問題、これまで滋賀県が関西電力に求めてきた原発立地自治体と併せ、三十キロ周辺地元の再稼働同意手続きなど、顧みることなく再稼働手続きが進められることになる」と懸念し、「三日月知事は、嘉田前知事の卒原発の主張を引き継がれており、真に国民の安全・安心対策のため、今こそ堂々と国及び関西電力に、先の福井地方裁判所大飯原発再稼働差止め判決や、福井原発群事故発生時被災地元となる立場を基に、原発の再稼働を行わず、再生自然エネルギーへの切り替えを進めること、高島市、長浜市は原発三十キロ周辺地元として滋賀県と同市との安全協定を結ぶことを要求されるよう要望する」と、国と事業者への対応を訴えている。
知事反原発団体と面会意向 前知事の姿勢転換
佐賀新聞 2015年02月06日
■対話路線を強調
佐賀県内で活動する反原発の市民団体が、知事に直接対話の場を設けるよう求めていることに対し、山口祥義知事は5日の定例記者会見で「会う機会を設けていきたい」と述べた。担当課対応を続けてきた前知事の姿勢を転換する意向を示した。
反原発の市民団体は再三にわたり、知事に直接面会するよう求めてきた。これに対し、古川康前知事は担当課が団体の話を聞き取り報告する形式で対応し、直接の意見交換はなかった。
山口知事は選挙戦を通じ原発再稼働を容認する方向性を示している。会見では「絶対だめだという皆さん方ともぜひ会う機会を設けていきたい」と対話路線を強調した。一方で、「“対話”は互いに誠意を持ち意見を言い合う場」と指摘し、「県民の思いを知事である私に訴える場が長続きするようなやり方を考えていきたい」と協力を求めた。
2006年から直接対話を求めてきた「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」の石丸初美代表は「何度もお願いしたが、前知事は『意見がかみ合わないから』と私たちの意見を聞いてくれなかった。選挙戦で県民の心に寄り添いたいとしていた山口知事が『会う』としてくれたことに、敬意を表したい」と評価した。
また、玄海原発(東松浦郡玄海町)の再稼働に関し「地元同意」の範囲に含めるよう求めている伊万里市の塚部芳和市長との会談も近日中に調整する方針を示した。山口知事は「県民の安全を第一に考えている。会いたい、話を聞いてもらいたいという市長の思いに応えていきたい」と語った。