福島原発事故の被ばくを考える講演会が7日、高知市であり、北海道がんセンターの西尾正道名誉院長が内部被ばくの危険性を指摘しました。
西尾氏は「政府は外部被ばくだけを議論し、内部被ばくの問題を全く無視している」と指摘し、避難指示区域を「年間放射線量20ミリシーベルト」としたことについては、「放射線管理区域より線量が高く、国が法律を犯す異常な事態」だと批判しました。
実際、内部被曝の危険性を政府から説明された記憶はありませんし、食品の放射能レベルの許容値を一般に100ベクレル/kgとしているのは、外部被曝限度をそのまま食品にも適用した結果だといえます。
また福島原発事故の四半世紀前に起きたチェルノブイリ原発事故後の処置と比較しても、日本の処置が色々と劣っている点があることもどうしても理解できないことです。
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「内部被ばく無視するな」 高知市で北海道がんセンター西尾氏が講演
高知新聞 2015年02月08日
東京電力福島第1原発事故の被ばくを考える講演会が7日、高知市内であり、北海道がんセンターの西尾正道名誉院長(67)が内部被ばくの危険性を指摘した上で、「政府は外部被ばくだけを議論し、内部被ばくの問題を全く無視している」と批判した。
西尾正道氏は約40年間、がんの放射線治療を行っており、2011年3月の事故以降は福島県内で子どもの甲状腺検査をボランティアで続けている。
講演では外部被ばくと内部被ばくについて、「外部被ばくは一瞬で体を通り抜ける。内部被ばくは体内で放射線がエネルギーを放出し続ける」と、内部被ばくの危険性を説明した。
ほかにも、国が「年間放射線量20ミリシーベルト以下」を避難指示解除の条件としていることについて、「放射線障害防止法で定めている放射線管理区域(年間約5・2ミリシーベルト)より線量が高い。国が法律を犯す異常な事態」と批判した。
チェルノブイリ原発事故とも比較し、「チェルノブイリは内部被ばくの危険を考慮して『強制避難ゾーン』を設けているが、日本では内部被ばくの議論が全く無い」と強調。「(内部被ばくの危険を)隠蔽(いんぺい)する不誠実な対応だ」と政府を断じた。
講演はグリーン市民ネットワーク高知などの主催で、高知県人権啓発センターで行われた。