NHK NEWS WEB 2015年6月30日
新潟県にある東京電力柏崎刈羽原子力発電所で、安全対策が国際的な基準に照らして妥当かどうか評価するIAEA=国際原子力機関の現地調査が始まりました。
IAEAの担当者と外部の専門家の12人で作る「運転安全評価チーム」の現地調査は、30日午後から本格的に始まり、5つのグループに分かれて発電所を視察しました。
このうち、チームのリーダーを務めるIAEAのピーター・タレン氏のグループは最初に、原発事故のあと、津波対策として標高35メートルの高台に新たに設置された非常用の発電機を視察し、ケーブルの耐震性などについて質問していました。
ほかのグループは、格納容器の損傷を防ぐフィルターベントという装置や、津波対策として新たにかさ上げされた高さおよそ15メートルの防潮堤などを視察したということです。
原発事故のあと、国内の原発で安全対策に関するIAEAの調査が行われるのは初めてです。
調査は30日から2週間行われ、事故に備えた設備の安全対策や緊急事態への対応力などが、国際的な基準に照らして妥当かどうか評価し、改善すべき部分について助言するほか、3か月後をめどに最終報告書を政府などに提出することにしています。
IAEAのピーター・タレン氏は「評価がどのような結果であっても、知り得た内容は正確に客観的に報告し、不備が確認された場合には、その対応策につながる実務に即した提案をしていきたい」と述べました。