しかしながら今年3月、市民団体の組織が約10万人の署名を携え、九州電力本店に要望した3点※について、本店はことごとく拒否しました。
※ 要望事項
(1)3・11後に国の指針で避難計画の策定を義務付けられた川内原発30キロ圏
内の9自治体で、住民説明会を開催すること
内の9自治体で、住民説明会を開催すること
(2)再稼働について、9自治体の正式な議決を求めること
(3)住民の要望があれば、30キロ圏外でも、説明会を開催すること
その他にも、火山学者たちが噴火の予知は出来ないというのを規制委と電力が強引に「予知は出来る」として、「噴火が始まる前に核燃料を運び出す」とはいうものの、一体本当に噴火の予測は出来るのか、核燃料を運び出す余裕はあるのか、何処に取り出すというのか、という基本的な問題があります。
こうした疑問に納得できる答えが出せない限り、再稼働は許されない筈です。
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(社説) 川内原発 なぜ説明できないの?
東京新聞 2015年7月10日
避難計画のあいまいさ、予知不能の火山…。多くの不安や疑問を置き去りにしたままで、九州電力川内原発(鹿児島県)は再稼働へ突き進む。安全に自信があるなら、なぜ、説明に応じないのか。
聞く耳を持たぬとは、このことか。時代劇でも見るようだ。
今年三月、鹿児島県内の百近い市民団体で組織した実行委員会が、約十万人の署名を携え、福岡市内の九州電力本店に、対話を求めて訪れた。
住民側が要望したのは、次の三点だった。
(1)3・11後に国の指針で避難計画の策定を義務付けられた川内原発三十キロ圏内の九自治体で、住民説明会を開催すること
(4)再稼働について、九自治体の正式な議決を求めること
(5)住民の要望があれば、三十キロ圏外でも、説明会を開催すること
不安に答えるに、無理な要求とは思えない。
「頭から再稼働反対を訴えるつもりはない。対話を求めて落としどころを探りたい」という住民側の姿勢にもうなずける。
しかしこれらは広報担当の段階で、ことごとく拒否された。
屋久島や種子島など県内六市町の議会が求める住民説明会の開催にも、九電は応じていない。
電力側がよって立つのは、3・11後の新規制基準に適合したという原子力規制委員会の判断だ。
「あくまでも規制委の基準に沿って、再稼働を進めていく」と、人ごとのように繰り返すだけの政府が、後ろ盾になっている。
ところが当の規制委は「安全を保証するものではない」とこちらも繰り返す。万一の責任は誰が取ってくれるのか。
福祉の現場や専門家などからも、避難計画の不備や周りに多い火山対策の甘さを指摘する声が引きも切らない。ヨウ素剤配布や避難計画が必要になるものは、そもそも動かすべきではない。
遠くない口永良部島の突然の噴火で、住民の不安は増した。
広範囲の住民がより詳細な説明を求めるのは当然で、九電にはその責任があるはずだ。
火山対策について、巨大噴火の兆候がもしあれば、原子炉を停止して核燃料を運び出せるという。
川内原発1号機では核燃料の装填(そうてん)作業が完了した。二十四時間体制で三日がかりの作業になった。
噴火の予測はかなうのか。核燃料を運び出す余裕はあるか…。素朴な疑問に十分な答えが出せない限り、再稼働は許されない。