2015年7月25日土曜日

第一原発廃炉への道 建屋内除染が急務

 23日に開かれた国際廃炉研究開発機構(IRID)(=福島第一原発の廃炉のための研究開発機構)の「シンポジウム2015 in 福島」、廃炉作業のために3号原子炉建屋内については除染作業が急務であると指摘されました。
 
 3号機1階部分空間線量は最高毎時4780ミリシーベルト(=2時間で致死量に)、最上階のオペレーティングフロアは毎時212ミリシーベルトということで、とても人間が入れる環境ではないので、まず除染ロボットなどを使って、人間が作業できるレベルまで空間線量を下げる必要があります。
 
(追記)
 それにしても3号機建屋の汚染レベルは何故こんなに桁外れに高いのでしょうか。
 
 3号機建屋では、2011年3月14日に3回の爆発が連続して起き、最初が水素爆発で、そのあとが核爆発に類似した爆発だったのではないかという推測が行われています。
 1号機などの水素爆発では建屋全体が白い煙で覆われるだけですが、3号機の爆発映像を見ると、まず赤い閃光が見え、そのあと黒い煙が3~5秒間のうちに数百mも上昇し、黒や白く見える大量の物体が煙から離脱して地上に落下しています。
  【3号機建屋爆発動画】
 
 アメリカの原子力学者のアーニー・ガンダーセン氏は、燃料プールの中で即発臨界(=核爆発)が起きたのではないかと推測しています。
 
 当ブログ記事:「復興庁の説明会で避難者たちから『支援の切捨てだ』と怒号」(20日付) URL: http://yuzawagenpatu.blogspot.jp/2015/07/blog-post_51.html 
について7月22日にいただいたコメントの中でも、3号機建屋の鉄骨の変形は単なる「水素爆発」では起こりえないことなどを解析しています。
 
 東電と政府は「単なる水素爆発」の一点張りで爆発の映像も直ぐに公開をやめていますが、海外に対しては送っていたようで、今見ることの出来る映像は海外から逆輸入されたものです。
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第一原発廃炉へ建屋内除染急務 福島のシンポで指摘相次ぐ
福島民報 2015年7月24日
 東京電力福島第一原発の廃炉のための研究開発を進める国際廃炉研究開発機構(IRID)の「シンポジウム2015in福島」は23日、福島市のコラッセふくしまで開かれ、登壇者からは廃炉作業のために原子炉建屋内の除染作業が急務であるとの指摘が相次いだ。
 IRIDの及川清志理事は、廃炉研究に関する講演で、福島第一原発3号機1階部分では空間線量が最高で毎時4780ミリシーベルトある現状などを紹介。廃炉の達成に向けては原子炉建屋の漏えい箇所の調査や補修など各種作業を進める必要があるとした上で「除染による線量低減など環境改善が不可欠」と強調した。
 
 東電福島第一廃炉推進カンパニーの増田尚宏最高責任者は特別講演で、3号機の使用済み燃料プールからの燃料取り出しに向けた状況を説明。プール周辺で除染を行っているが、最上階のオペレーティングフロアは毎時212ミリシーベルトと依然として高線量であり、除染ロボットなどによる線量低減を進める考えを示した。
 会場の一角では、原子炉格納容器の内部調査で使用するロボットのデモンストレーションも繰り広げられ、来場者の注目を集めた。
 IRIDのシンポジウムは本県初開催で約300人が訪れた。剱田(けんだ)裕史理事長があいさつした。