注目されていた老朽化原子炉の残存強度(=もろさ)の判定に、規制委は電力会社や原発メーカーなどで構成される日本電気協会の策定した予測式を用いることが分かりました。
いわゆる業界が作った予測式なので、我田引水の、考えうる最も不確かな基準ということが出来ます。
原子炉の耐用を前人未到の60年に延長することについては、当初規制委は「かなり困難なこと」という見解を示していましたが、いざ蓋を開けてみればこんな安易な方法を考えていたわけです。一体どこに「規制」が掛かっているのでしょうか。当初からこうする積りで運転延長の基準を作っていたとしか思われません。
体裁を整えるだけの聞き流しの「意見募集」で済ますのではなく、先ずは電力業界の息の掛かっていない井野博満東大名誉教授(金属材料学)などの専門家たちによる検討が必須です。
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電気協会予測式を適用=原発老朽化審査で-規制委
時事通信 2015年7月22日
原子力規制委員会は22日、定例会合を開き、原則40年と定められている原発の運転期間の延長申請に対する老朽化審査で、圧力容器のもろさの想定に電力会社や原発メーカーなどで構成される日本電気協会の策定した予測式を用いることで合意した。30日間の一般からの意見募集を経て、9月上旬にも正式決定する方針。
現在、関西電力が運転開始から約40年の高浜原発1、2号機(福井県)について20年の延長を求めている。この2基は国内43基の中で最も古く、予測式で算出された値に問題がないと判断されれば、今後他の老朽原発でも運転延長が相次ぐ可能性がある。