2015年7月10日金曜日

柏崎刈羽に大放水車=重大事故を想定、放射能の拡散防止は?

 東京電力は9日、柏崎刈羽原発に今月下旬から、毎時1200トン放水できる送水車と放水砲からる「大容量放水設備」を5組配備すると発表しました。
 重大事故が起きた場合、原発から放出された放射性物質を大容量の水噴射でたたき落とすというものですが、その効果は殆ど期待できません。
 
 降雨によってプルーム中の放射性物質の一部が地表に落とされるのは事実ですが、雨滴の総表面積に比べれば、空中放水の総表面積は極めて小さく、放出されるガスの極く一部と接触するだけです。
 
 従って放射能の拡散を防止する機能は殆ど期待できませんが、発電所から見れば極めて微々たる費用で出来るので実施するのでしょう。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
柏崎刈羽に大放水車=重大事故を想定、放射能拡散防ぐ—東電
ウォールストリートジャーナル  2015 年 7 月 9 日
 東京電力は9日、柏崎刈羽原発(新潟県)に今月下旬から、毎時1200トン放水できる送水車と放水砲から成る「大容量放水設備」を5組配備すると発表した。重大事故が起きた場合、原発から放出された放射性物質を大容量の水噴射でたたき落とし、構外への拡散を防ぐという。航空機の衝突で火災が発生した場合の消火にも使用する。
 
 東電によると、福島第1原発事故では発生直後の2011年3月15日に降った雨で放射性物質が地上に落ち、北西方向に汚染が広がった。東電は放射性物質が拡散する前に大量放水を行い、原子炉建屋周辺に汚染をとどめるとしている。
 放射性物質を含んだ水は、建屋周辺に落ちてたまる。東電は排水溝にシルトフェンス(水中カーテン)を設置し、海への流出を防ぐ計画だが、完全に食い止めることはできないという。
 
 重大事故が起き高線量下で現場が混乱する中、スムーズに運用できるかについて、同原発の横村忠幸所長は「専門家の指導が必要」と話した。 [時事通信社]